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執筆者の写真junpei

素敵な場所

更新日:2020年10月27日




1週空いて、また山に向かいます。

今回は、登山と言うより、秘密の野営地探し。

日頃暇があると、私は常に地図を隈なく眺めています。丸一日地図を眺めていることもザラです。

1/50,000の地図は勿論のこと、1/25,000と1/16,000の地形図を目を皿のようにして熟読。

平坦地を探していきます。良さそうなポイントが見つかったら、ネットで検索。情報を集めます。

ノーマルの登山道に野営することは、殆どの場所ではかなり困難。そこで、バリエーションルートや林道の脇等が私の注目ポイントです。

林道マニアの方がアップしている動画や、バリエーションを歩いている方のブログ等、いつもかなり参考にさせて頂いています。

それでも、やはりいろんな意味で適した地というのは、かなり限られています。

しかし、今回見に行くポイントは、その中でもかなり期待値が高い場所。


それは、前々から注目していた「廃村」です。


地図を熟読していて気付いたのは、山中に広々した平坦地はそうそうないということ。つまり、逆に言えば広々したエリアは、人工的に造られた場所がかなり多いということです。

今回のポイントも、地図で見つけた場所を調べていく過程で、かつてそこに石灰鉱山に働く人たちの集落があったことを知りました。

東京都では最大のヒノキとして天然記念物に指定され、「千年の大ヒノキ」と言われている有名な檜が立つ奥にその場所はあります。

車の運転の練習も兼ねて、カーシェアリングを予約。当日5時半、奥多摩に向け出発しました。

林道奥は崩落箇所がある為通行止めになっているとのことでしたが、入口付近にある駐車場には入れるだろうと車を進めました。しかし、着いてみると林道入口自体が封鎖されていました。うわ〜…。まじか…。

道の途中にあるすれ違いの為の待避所に、ちょっと停める事もできなくはないですが、そんなところに停めていて怒られるのもなぁ…。と暫く考え、諦め混じりに数十m行ってみると、広い駐車場を発見。もしかして、停められないかな…?と入ってみました。外で集まって話をしていたおじさまに詳しく聞いてみると、

「ここの駐車場は会社の駐車場で、今ここに停めちゃうと、後からどんどん入ってきて出られなくなっちゃうよ。」とのこと。付近に適当な駐車場もないとのことで、諦めて帰ろうとしたところ、となりにいたおじさまが、出入り口付近のスペースを指差し、

「そんなに時間かからないなら、俺が出たらそこに停めていいよ。」と言ってくれました!!なんとご親切な!!!お礼を言って、車に乗り込み、スペースが空くのを待ちました。やがて、おじさまたちは別の場所に移動するべく、駐車場から出ていきました。

すかさず、そのポイントに駐車!!

あ〜なんて良い方なんだろう。と、おじさまに感謝しつつ、檜に上がる階段を進んでいきます。斜面を暫く登ると、立派な大木が見えてきました。見上げてみると、大きな幹から、更に太い9本の幹が天空に向かって放射状に伸びています。木に触れてみると、何かパワーを得られそうな気持ちになりました。暫く木を眺めた後、その奥にある集落跡へ進みます。途中道が消えかかり崩落気味の箇所もありますが、概ねわかりやすい道です。檜から5分ほど歩くと、南側が開けた平坦地へと到着です。

既に家屋は取り壊され、基礎部分しか残っていませんが、斜面を利用し、かなり上の方まで家屋が建っていたことがよくわかりました。かつての貯水タンクがそのまま残っていたり、所々家財道具なども残ったままになっていたりしますが、廃村という言葉から連想する不吉な雰囲気は微塵も感じられません。逆に、こんな素敵なところで生活していた人たちがいたんだなぁという羨望のような気持ちが溢れます。

開けた南側には、ど真ん中に大岳山が見えており、眺望も素晴らしい。

沢が近くにない為、水は担いで来なければなりませんが、歩く距離が非常に短い為、それも大して苦にならないでしょう。

ここは、是非とも泊まりに来たい場所です。

暫く集落を探検しのんびりしたあとで、あまり時間を要しては、あのおじさまに迷惑をかけることになると思い、早目に駐車場を出ることにしました。さて、時間はまだ10時前。本当なら、林道奥の崩落地を抜け、波線ルートの入口まで行き、野営できそうな場所があるかどうか探索するつもりでいましたが、林道自体が封鎖されているのでこちらは中止せざるを得ません。

でも、せっかくここまで来たのだからと、もうひとつかなりの期待値があるポイントまで足を伸ばしてみることにしました。

そこは、山梨県小菅村。奥多摩からは湖を経由して入ります。いつもはバスでしか来ない奥多摩湖。平日だというのに、湖にはかなりの人が観光に来ていました。駐車場を横目で見ながらさらに奥へと進みます。

以前YさんTさんO嬢と一緒に登った三頭山の登山口である深山橋を通り過ぎ、いよいよ山梨県へと突入です。バス通りであるはずの道でしたが、この道がかなり険しいクネクネ道。本当にここなのか!?と訝しがりつつも、ナビの言うことを聞きながら、駐車場へと到着。そこから徒歩でポイントへと向かいます。集落の中にひっそり佇む道標。入ってみると、途中から踏み跡は薄く、ある程度山の知識がないと自信をもって入れないだろうな…と思われました。途中かつてワサビ田だったと思われる場所を通り過ぎ、更に沢伝いに進むと、道は沢を離れ、登っていきます。暫く登ると、広々したエリアに入っていきます。この平坦地が、私が目をつけたポイントです。遠くからかすかに聞こえて来る水が落ちる音を頼りに、平坦地を進むと、崖の奥に滝が見えました。

薄いシャワーのような滝が見えています。なんとも言えないひっそりと降り注ぐ趣深い滝です。思わず見惚れて立ち尽くします。

誰も来ないこんなところに、こんなに素敵な場所があるなんて…!!来て良かった!!

滝壺に降りたほうが、おそらくもっと滝を楽しめるだろうとは思いましたが、崖のように切り立った斜面を登り下りするのはかなりしんどそうだったので、今回は遠くから眺めるだけに留めました。

滝が見えるところに腰を下ろし、お湯を沸かして味噌汁とおにぎりで昼食です。

ここは、本当に素敵な野営ポイントです。ちょっと降りれば水はいくらでも調達できます。眺望はないですが、駐車場もあり、歩く距離も短く、誰も来ない、水もある!更に言えば、15分程行ったところに温泉もある!

野営地としては申し分ありません。素敵な場所を見つけた嬉しさで、心躍る気持ちでした。


暫しひっそりとした森を堪能し、既に作られなくなった田に残るワサビを一株頂いて、車へと戻りました。ちょうど12時の鐘が鳴りました。この鐘が、またなんとも言えず素晴らしい選曲!!「野なかのバラ」でした…!!



温かい気持ちに包まれ、帰路へ。

しかし、この道。殆ど車が通らない。通るのはバイクだけ。おそらくこのクネクネ道が楽しくて、ライダー等が集うのでしょう。帰りは上野原に抜け、中央道で帰ります。

この道の左側は笹尾根です。いつかまた笹尾根を三頭山まで完全に縦走してみたいと考えながら車を運転していました。


無事に自宅まで戻り、さてカーシェアリングを終了しようと携帯を手にしてみると、いつの間にか電源が落ちていました。幾度ボタンを押しても、うんともすんとも動きません。まさか電池がなくなったのか??と、非常用電源を使ってみますが、チャージもできない状態。むむむ!!!これは、マズイ!!心を落ち着け、一旦家に戻り純正の電源に繋ぎますが、これまた無反応。故障か…!!!??

とりあえず、車を返却しなければ。再度車に戻り、鍵を返却キーに差込、実際は鍵が開いている状態でその場を離れます。ドキドキしながら走って公衆電話へ直行!トラブルを伝えるべく電話で連絡、遠隔で施錠をお願いするという事態に…。しかし、無事に車は施錠され、事なきを得ました。次は携帯です。

何度も電源を確認しましたが、やはり動かない。そこで、こちらも連絡し、交換端末の手配をお願いしました。しかし、電話の最中になんと電源が立ち上がり、こちらも無事に解決!!一体なんだったんだっ!!!!

あーーー。焦った!!

何とか無事に全てが終わり、本当に良かったです。ヤレヤレ…。


さて、今回の素敵な野営地。

Nちゃんと一緒に訪れたい気持ちですが、まずは一人でどちらかに泊まろうか?と考えている私です。



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