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赤杭尾根〜初のソロ野営〜




平ヶ岳から1週間。今週も山です。

これで3週連続の登山となりました。こんなに頻繁に山に出かけるのは久しぶりのことです。

さて、今回はどちらかと言うと野営重視。しかも、単独。

きちんとしたテン場に泊まるのならいざ知らず、何が起きるかわからない山のど真ん中にたった一人で泊まることは、やはり不安です。しかし、どうしてもやってみたい!という気持ちが勝り、ついにソロ野営敢行となりました。


まずは場所の選定ですが、今年完全バリエーションルートの蝉沢左岸尾根を歩いた際に見つけた秘密の場所が第一候補。バリルートからのアクセスはかなり過酷な為、赤杭尾根から入ることにしました。以前ここを歩いた際は、川井駅から大丹波川沿いに北上、送電鉄塔の巡視路を利用して尾根伝いに三ノ戸山に登り、一旦ノーマルルートを通ってズマド山、その後赤杭尾根で川井駅に降りました。今回は、赤杭尾根に最短で入れる古里駅からスタートです。ズマド山を西に巻く形で三ノ戸山までがおよそ1時間15分程。そこから派生するバリエーションに入って間もない地点が野営ポイントです。

しかし、どうせ行くのなら野営地探しも兼ねて行ってみたいところ。1/25,000の地図、更に1/16,500の登山詳細図も駆使しながら野営ができそうなポイントを絞っていきます。本当は以前から気になっていた獅子口小屋跡を見てみたいところでしたが、現在最短距離で入れる大丹波川ルートが去年の台風19号の影響で未だ通れず、川苔山を経て辿るルートしかありません。また、川苔山に登るには比較的楽だった細川橋からのルートも同様に通行止となっていることから、鳩ノ巣か赤杭尾根のどちらかでしか登れない状況です。赤杭尾根は鳩ノ巣ルートと比べると、かなりロング。仮に鳩ノ巣から登ったとして、コースタイムを調べてみると8時間はかかる計算です。

これは、無理だ…。

他にないだろうかと、再考です。

そういえば、以前ネットで調べている際に見つけた情報で、赤杭尾根の終点に程近い真名井沢ノ峰から派生している真名井北陵ルートの入口部分に、いい感じの平坦地があったような…。

よし、決めた。

ほぼ川苔山山頂目前のこのエリアまで頑張って登り、野営が出来そうなポイントがあるかどうかを調べ、もし良さそうならそこで宿泊。不向きなら三ノ戸山まで下山して宿泊。ということにしよう。


さて、当日。いつもより1本遅い奥多摩行電車に乗り、古里で下車。登山者はおじさま1名のみ。準備をしている間におじさまはいなくなりました。もしかして、川苔山だろうか?と思いながら赤杭尾根へと向かいます。草が生茂るジャングルっぽい取り付きです。沢伝いに進みますが、蜘蛛の巣地獄です。これで、あのおじさまが大塚山へ向かったことがすぐにわかりました。当然です。川苔山に行くのに赤杭尾根を使うなど、物好きのすることです。やはりこのルートはかなりマイナーなのだと確信しました。

道は沢を離れ、尾根に乗りますが、やがてズマド山の巻道が川井駅分岐までずっと続いています。川井駅までのまるで波線ルートのような荒れっぷりから比べると、かなり道は綺麗なのですが、この巻道、かなり危うい。足幅1.5くらいしかないような細い部分も多数あり、踏み外したら崖というような緊張感を強いられるエリアです。慎重に、ゆっくりと歩きます。ようやく分岐までやってきました。

水4ℓ、酒1ℓ弱を背負っている為、ザックはかなりの重さです。三ノ戸を左に確認し、野営ポイントを確認しつつバリエーションに少し踏み入って行きます。前回入った時は冬だった為、やはり草が生い茂り、多少荒れた感が見受けられました。なんとかなるだろうと、奥までは入らず、ノーマルルートまで戻り、先へ進みます。

そこから赤杭山まではだらだらとした比較的ゆるい登りが続き、桃ノ木平を通過すると林道と交わります。ガイドブックではそのまま林道を歩くと書いてありましたが、登山道が奥に見られたので、小ピークへ。桃ノ木平北峰です。そこから再び林道に戻り、しばらく行くと林道が崩壊している部分を通過。車は通れませんが、人はOK。崩壊地を過ぎると林道はそこで終点。道は登山道へ続きます。ここからはかなりの急登が続きます。ずっしりと肩に食い込むザックの重みが辛く、休み休み歩かないと進めなくなってきました。しかし、ここまで来れば真名井沢ノ峰はあともう少し。地図で現在地を確認しながら、あとちょっと!!と自らを鼓舞しながらようやく真名井沢ノ峰に到着です。標高は1,240m。周囲は霧の為、よくわかりませんが、一応ピークということでその部分は開けており、気持ちの良い丘のようになっています。疲れたーーー!!かなりバテバテです。

ここで、一旦ザックをおろし、バリエーションに入ってみます。空身で歩くのはこんなに楽なのか!と感動を覚えつつ、付近を探索します。しかし、案外平坦な部分は短く、すぐに痩せ尾根部分までやってきてしまいました。この平坦地なら絶対に気付かれないと思いますが、思った通り、赤杭尾根から入っているのはおそらく私ただ一人だけ。どうせなら気持ちの良いピークで張るか…。

一日を通して霧の予報だし、万が一川苔山から下山してきた人がここを通ったとしても、目線を上げない限り気付かないだろう。もし、気付かれたとしても、疲れたので休んでます。と言えばいいし…。

実際、かなり疲労困憊。またここから1時間半もかけて下りるのは苦痛です。

よし、決めた!!

ここを野営地とする!!


さて、ここでいきなりツエルトを張るのもはばかられた為、昼食を食べ、薪集めを始めます。前日の雨で木はかなり湿っているので、うまく火がつくでしょうか。

時間は14時。

さすがにこの時間に山頂から下りて来る人も当然登って来る人もいないだろうという時間です。ということで、ツェルトを設営し始めました。

木を使ってどんどん張っていきます。今回も上手に立ち上がりました。

今回やってみたかったのは、100均で買った蒸し器で焚き火をすること。

結構この蒸し器を焚き火台代わりにして焚き火する動画は数多くあり、一度試してみたかったのです。エスビットのポケットストーブを台にして、その上に蒸し器を置き、周りを石で囲みます。これで、直火にならずに済みます。家から持ってきた牛乳パック燃料と、マスクを作った時に出た大量の端切れの塊を盛大に燃やし、その上に小枝、中位の枝を被せ、一番上に枯れ葉を覆い尽くすように被せます。枝も枯れ葉もかなり湿っていましたが、うまく火がつきました。おそらく無数に開いた蒸し器の穴からうまい具合に空気が入っているのでしょう。また、焚き火はまず温度を高くしないと燃焼しないというのを服部文祥から学んだので、火が見えなくなるように葉で覆い尽くし、熱を籠らせました。それが良かったのか、そこから一度もガストーチを使うことなく火を持続させることができました。

火というのは、本当に不思議です。いくら見ていても見飽きることはありません。

焚き火を楽しんでいる間にいつの間にか16時になっていました。

今回は焚き火で煮炊きすることは基本考えていなかったので、焚き火を楽しみつつまずはお湯を沸かしました。沸いたお湯は山専ボトルに詰め、夜のホットウイスキー用に取っておきます。その後陽が落ちてきたので焚き火は終了。

ガスを使って再度お湯を沸かし、アルファ米とフリーズドライの味噌汁に投入。ネギとベーコンを切り、コッヘルのふたに敷き詰めスライスされた餅をのせ、焼きます。火が通ったらスライスチーズを乗せ、アルミホイルで蓋をし数十秒。晩ご飯の出来上がりです。アルファ米は山菜おこわ。温かい食事を食べつつ、ビールを頂きます。サーモスの保温バックに入れてきたビールは未だキンキンに冷えていて、幸せを感じます。その後食事の片付けをし、お楽しみのホットウイスキーの時間です。今回は知多ウイスキーをプラティパスに詰めてきました。

ウイスキーを飲みながら、読書。すっかり外も暗くなりました。夜になると、しばしば甲高い鹿の鳴き声が聞こえてきます。やっぱり、この辺にもいるんだな。と思いながら、どうか熊だけは来ませんように…!!と祈ります。今年は各地で熊被害が多く、奥多摩にも間違いなく彼らはいる…ということで、実は、今回ツエルトの入口部分にあるものを吊るしていました。

ゴムヘビです。

熊は、蛇が苦手らしいのです。とはいえ、真っ暗な夜に、吊るされたものが見えるのか??そして、ゴムヘビを本物の蛇と見間違えるのか!!??と、突っ込みどころ満載ではありますが、切なる祈りを込めてのおまじないです。←大真面目(笑)

20時。持ってきたウイスキーもなくなり、お湯も尽きたので就寝です。途中夜中の12時〜2時くらいの間、眠れなくて再び読書したりしてましたが、その後またぐっすり眠りました。5時。まだ外は暗いですが、水の残量がギリギリになってきたのでなるべく早い時間に下山することにし、朝ごはんの準備です。お湯を沸かし、アルファ米と味噌汁に投入。ベーコンの上に卵をのせ、ベーコンエッグを焼きました。そろそろ夜が明けてきたようです。東の空が燃えるように赤くなってきました。この日は朝から天気は上々で、木々の隙間から周囲も見えていました。時間が早いからか、相変わらずちょくちょく鹿が鳴いています。

ご飯を食べたら、焚き火跡の始末、そして撤収作業です。原状回復も完了で、一晩お世話になった真名井沢ノ峰に別れを告げます。

さて、残りの水はちょうど700ml程。案外煮炊きに水を使ってしまったので、残量はギリギリのラインです。どこかに寄っている余裕はない為、一気に下山します。

なかなかいいペースで川井駅と古里駅の分岐までやってきました。ここからは、恐ろしい巻道が続きます。下りということもあり、慎重に慎重に下りていきます。細い上にザレているという恐ろしい巻道です。なんとか巻道をやり過ごし、無事に古里駅へ到着!

汚れた靴やストックを洗い、セブンで飲み物を買い、一気飲み。

いろいろありながらも、なんとか初ソロ野営の山旅は終了しました。疲れたーーー!!


今回の反省点としては、野営地に水がない場合は野営ポイントをなるべく里から近いところに設定する必要があるということ。なんだかんだ言って、真名井沢ノ峰まで、累積標高差で1,200mはあったらしい。これだけきっちり登るとなると、行動中の水も必然的に必要になってきます。10k越えの荷物を背負っての歩行、疲れて当然です。久々筋肉痛にもなりました。

それから、持ち物の選定。今回は大分荷物を厳選したつもりでいましたが、それでもまだ考える余地がありそうです。

やはり、ツエルト泊は奥深い。

また次回別の場所で野営するまでに、再び勉強です。

今回は、予想以上に修行要素の高い山旅となりました。

次回はもうちょっとゆるいところに行きたいかなぁ。


【今回の真名井沢ノ峰登山記録】   


初日行動時間 3時間35分(標準タイム 約3時間)                   ■山行タイム 3時間05分

8:05 古里駅

9:12〜9:19 川井駅分岐  1'07(1'15)

9:31〜9:41 三ノ戸山肩 12

10:28 桃ノ木平 42[途中5分休憩]【56】(60)

11:40  真名井沢ノ峰 1'02[途中10分休憩](約60)


二日目行動時間 2時間16分(標準タイム 約2時間10分)

            ■山行タイム 2時間06分

6:40  真名井沢ノ峰

8:56  古里駅 2'06[途中10分休憩](2'10)   






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