色々ないきさつがあり、夏の恒例の旅行にかこつけていよいよ遠く の山に1人で登ってきました。 青森県にある岩木山です。 以前太宰治生誕100年の時に訪れた青森県に、再びやってきまし た。あの時はただただ美しい山だと眺めるだけだった岩木山を登る なんて、あの頃の私には考えもつかないこと。 1人で登る不安と初めて登る山への興味とで、興奮し前の晩はあま り眠れない状態で、準備をし、5時に予めお願いしていたタクシー で、登山口である岩木山神社へと向かいます。 駐車してある車はたった1台だけ。他に登山者も見当たりません。 1人で登る山だし、本当は多少人がいると心強いものなのですが、 今回初めて購入した熊鈴をセットし登山開始です。 東北の山には熊が多いと聞くし、1人で登るのがやはり熊と出くわ す確率が高いため、効いてるのかわからないけれども万全の対策は しておかなければならないので、あまり好きではない熊鈴ですが、 今回は致し方ない状況です。 スキー場を右手に見つつ歩くと、本格的な登山道の始まりです。 なだらかな斜面をだらだらと登って行きます。まだまだ山頂はずっ と先。 実はこの岩木山。リフトを使って手軽に登れる山として、多くの人 に知られているようです。 色々なコースがある中、今回私が選択し た百沢から嶽温泉に下るコースは一番有名なコースで、難しい箇所 はないながらも、標高差1,400mで登り4時間はかかるまあまあきつ いコースです。しかし、前回の登り5時間はかかる権現岳を登れた のだから、体力的には問題はないはず。 心配なのは道迷いと、熊。ここに尽きるわけです。 途中突然のガサガサ!!という鳥が立てた音に度肝を抜かれながら も順調に進みます。ちょうど尾根道から沢への険しいポイントに入 ろうというところで、上から下りて来た登山者と出会いました。 「早いねぇ!」と声をかけて下さったおじさまは、なんとトレラン の方で、さすが1時間半で山頂まで行ったというから驚きです。 世の中には、スゴイ人って沢山いるんだなぁ。と思いつつ沢の岩場 へと取り付きます。 難しい箇所はないと書かれていたこのコースですが、まあまあ斜度 のある急な岩場の連続で、攀じ上り系の岩場。しかもあまり道標の リボンが見当たらず、道がなくなって後戻りしたりもしました。 どんどん沢を詰めて行くと、錫杖清水に到着。かなりの水量で湧く 冷たい清水をたっぷりと水筒に詰め込み、十分喉を潤し先へと進み ます。鳳鳴ヒュッテを越えると、リフトから上がって来た人達との 合流地点となりますが、時間が早かったためまだ誰も登って来てい ない様子。そのまま登り詰め、岩木山山頂(1,624.6m)へ。 ガスが大分出て来てはいたものの、山頂からの景色は素晴らしい眺 め!!弘前の街。そして日本海まで見えていました。美しい海岸線 を見渡し、暫し景色を堪能。しかし、ガスはどんどん広がってきて おり、風もかなり強かったため、そこでの昼食はなしにして下山す ることにしました。下り始めて暫くするとリフト組がパラパラと 登ってきました。みんな大概が軽装で、中にはサンダルで登る女性 やなんかもいて、ちょっとビックリ。 リフト脇の嶽登山口付近に腰を下ろして昼食を取り、あとは一気に 下山です。 嶽登山口は百沢に比べるとかなり易しい道でしたが、途中ガイド ブックにもあった通り、粘土質の土がずっと続いていて転倒に気を 配りながらの下山となりました。 途中二人程の登山者とすれ違っただけで、ほぼ貸し切り状態で無事 岩木山単独登山は終了!一人だし、標高差もある山なので、ゆっく り登ろうと心がけた山行も、蓋を明けてみれば標準タイムを1時間 巻くタイムで下山となりました。 我ながら、初めての遠い地での単独行が誇らしい気持ちでした。 その日の夜は弘前でRさんと落ち合い、青森への旅の前夜祭へと 続きます。 旅は道連れ、世は情け。 弘前での出逢いは、これまた素敵なものでした。 無事登山を導いて下さった山の神様、ありがとうございます♪ 【今回の岩木山登山記録】 行動時間 6時間25分(標準タイム 6時間35分) ■山行タイム 5時間35分 5:30 岩木山神社 6:35〜40 姥石 1’05(1’25) 7:27〜33 焼止ヒュッテ 47(50) 8:21〜8:26 錫杖清水 48 8:41〜45 種蒔苗代 15 8:53 鳳鳴ヒュッテ 8 〈71〉(90) 9:15〜29 岩木山山頂 22(30) 10:24〜40 8合目リフト 55(1’05) 11:55 嶽温泉 1’15(1’30) ∴ 百名山記録 22/100 【丹沢山 奥白根山 筑波山 草津白根山 四阿山 浅間山 金峰山 瑞牆山 火打山 妙高山 大菩薩嶺 鳳凰三山 谷川岳 蓼科山 雲取山 八ヶ岳 常念岳 仙丈ヶ岳 甲斐駒ケ岳 赤城山 男体山 岩木山】