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  • 執筆者の写真junpei

平ヶ岳

更新日:2020年11月10日




松生山・浅間嶺登山から1週間。次なる山は、平ヶ岳となりました。

平ヶ岳といえば、百名山の中でも日帰り行程では難関と言われている山で有名です。

登山口である鷹ノ巣から往復12時間かかることがその理由。小屋もなく、幕営も禁止されていることから、行くことはないだろうと思っていた山でした。

しかし五竜からの帰り道、Tさんが日帰りでも行けるルートがあることを教えてくれました。かつて皇太子殿下が登ったことから、プリンスルートと名付けられたルートで、所要時間は約7時間と一般ルートから見れば半分の行程です。

但し、銀山平の宿に宿泊することが前提です。宿から登山口までは車で1時間半程あるのですが、その往復を宿が送迎してくれるということで、最低5名は集まらないと登山自体が中止になってしまうというシステム。至れり尽くせりのこのプリンスルートで、是非登りたい!ということで、今回はTさん、Nちゃん、私の3人で出かけることになりました。


当日は宿に泊まるだけなので、比較的遅い時間に出発。現地でNちゃんと合流です。

天気は始終雨。翌日の天気を懸念しながら銀山平へ。なかなかの秘境感がある集落ですが、いくつものログハウスが林立した立派な宿が建っていました。

私たちの泊まるログハウスは、宿の母屋からも温泉からも目と鼻の先。しかもログハウス内部はリビングを含め4室もある立派な作り!最高の前夜祭です。

温泉に入りいよいよ夕食ですが、期待通りの豪華なお料理の数々です。宿の方からスクリーンを使った詳しい平ヶ岳登山の説明があり、きめ細かいサービスに感心しつつ、宴は終了。ログハウスに戻って、二次会へ。しかし、翌日は3時起床の為、9時には就寝となりました。


4時にマイクロバスで宿を出発。どうやらこの日の登山者は、我々3人と、宿に宿泊していたご夫婦の5人のみということらしい。完全に貸切状態ということで、ありがたい限り!

途中ありえない程の車の揺れに驚きながらも、無事に登山口へ到着。宿のご主人はこのまま私たちが下山するのを待っていてくださるそうで、12時半を目標に頑張ってくださいとのこと。準備をし、5時40分頃出発となりました。

天気はあまり芳しくなく、霧雨が降っていました。薄暗い中、ヘッドライトを照らしながら歩き始めます。歩き始めてすぐのところに、ヒカリゴケが群生しているポイントがあるとのことで、まずはその看板を探します。橋を渡ってすぐの右側に、看板を発見。宿のご主人には、帰りに寄るように言われていたので、確認だけで先へ進みます。

前日の雨のせいで道は悪く、かなりぬかるんでいました。1/25,000で確認した通り、いきなりの急登ですが、ゆっくりと足を進めます。1/50,000で「五葉松と檜の大木」と書かれたポイントでレインウェアをしまい、ぐいぐい急坂を登って行きます。懸念した通りのなかなかの急登ぶりで、稜線に出るまでずっとこの坂が続きます。周りが開けてきて、樹林帯から抜ける直前、稜線に備えてウエアを着込み登って行くと、視界が一気に広がりました。湿原です。

今年は、湿原歩きの登山が多かったように思います。燧ヶ岳、苗場山、そして平ヶ岳。平ヶ岳の雰囲気も、苗場山によく似ていて、山頂はなだらかで湿原が広がり、まるで大草原を歩いているような錯覚に陥ります。

湿原のエリアに入ると、殆ど高低差はなく、木道をゆるゆると進みます。天気が良ければもっと素晴らしい景色を楽しめたのでしょうが、相変わらず霧の中。周りは真っ白で、時折ガスが抜け、山頂が顔を覗かせるくらいで眺望は残念ながらありませんでした。それでも、遅めの紅葉で草紅葉も美しく、幻想的な雰囲気の中を山頂に向かって進んでいきます。ほぼなだらかな湿原の中からちょっと入ったところに三角点と山頂の標識がありました。平ヶ岳(2,141m)に到着です!

なんとも微妙な山頂でしたが、周りを木で覆われていて風から遮られる為、ここで朝食代りのおにぎりを食べました。眺望もない為、すぐに姫ノ池へ。その後分岐を玉子石に向かいます。玉子石越しに湿原が広がり、池塘がいくつも散らばって見えていました。美しい湿原もこれで見納め。平ヶ岳に別れを告げ、一気に下山です。

こんな急なところを登ってきたのか!?と思うような箇所がいくつもあり、泥濘の中転倒しないように細心の注意を払いながら一歩一歩確実に足を置いて行きます。まだかまだかと思いながら、ようやく五葉松のポイントまで来てみると、下の方にバスが見えていました。うへー。意外とまだあるなぁ。と思いながら黙々と下山。沢の音が近づき、ようやくヒカリゴケのポイントへ到着!!

ヒカリゴケは、洞窟や岩陰など湿ったところにある貴重なコケ植物で、わずかな環境変化でも枯死してしまうような脆い存在らしく、絶滅が危ぶまれているそうです。

大きな岩陰を覗くと、鮮やかなグリーンが目に飛び込んできました。本当に光って見えています。貴重なヒカリゴケを堪能し、登山口に到着!!

泥んこになった靴やスパッツをじゃぶじゃぶ洗い、バスに乗車。1時間半揺られてようやく宿へ戻ってきました。

その後温泉で冷えた体を温め、途中塩沢石打SAで昼食。Nちゃんとはそこでお別れし、その後無事に自宅まで戻ってきました。

今回は、なかなか行くことの難しい平ヶ岳に登ることができ、楽しい山旅となりました。

Tさん、Nちゃん、ありがとうございました!!


【今回の平ヶ岳登山記録】   行動時間 6時間14分(標準タイム 7時間5分)                 ■山行タイム 5時間32分

5:40 登山口

7:41 玉子石分岐  2'01[途中10分休憩](3'00)

8:21〜8:43 平ヶ岳(2,141m) 40(60)

9:03 鷹ノ巣分岐

9:12  姫ノ池 39(40) 

9:40〜9:44  玉子石 28(25)

11:54  登山口 2'10 [途中10分休憩](2'00)   


∴ 百名山記録 38/100   【丹沢山 奥白根山 筑波山 草津白根山 四阿山 浅間山   金峰山 瑞牆山 火打山 妙高山 大菩薩嶺 鳳凰三山  谷川岳  蓼科山  雲取山 八ヶ岳 常念岳 仙丈ヶ岳  甲斐駒ケ岳 赤城山 男体山 岩木山 富士山 美ヶ原 北岳 両神山 鳥海山 霧ヶ峰 那須岳 至仏山 安達太良山 木曽駒ケ岳 御嶽山 会津駒ケ岳 燧ケ岳 五竜岳 苗場山 平ヶ岳】

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