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  • 執筆者の写真junpei

大岳山〜雪山登山〜図らずも通行止強行突破…

更新日:2020年2月11日



今年も沢山の山に登ってきましたが、いよいよ年の瀬も押し迫り、これが登り納めかな。という時期になってきました。そこで、天気の良さそうな日をその日と決定し、山の選定に入りました。

しかし、日曜日の雨は標高の高い山では漏れなく雪になった模様で、自宅から見える丹沢も雪で真っ白!ネットで検索してみると、奥多摩もかなりの降雪があったらしい。

雪山登山となれば、比較的易しい山、しかも良く知っている山が良いのですが、未だ陣馬山から高尾駅に向かうバスは通じておらず、このルートは却下。次に易しい山といえば、高水三山ですが、この間行ったばかり。さてどうしよう。ネットでロックガーデン、御岳山、大岳山近辺の登山道などを確認してみると、ずっと通行止めになっていた、ロックガーデン手前の七代の滝、綾広の滝も行けることが判明。ということで、ロックガーデンを通り、大岳山へ行き、奥多摩駅まで行くルートに決定しました。

さて、御岳駅からケーブルカーを乗り継ぎ、御岳山駅に降り立ってみると、かなりの積雪です。これは、雪山登山を覚悟しなければならないでしょう。念の為入れてきたチェーンスパイクも使うシチュエーションがあるかもしれません。

身支度をし、まずはアスファルト急登を神社まで登っていきます。石段を登りつめ、今年1年の無事を感謝しつつ、来年の安全を祈願し参拝。いよいよ登山開始です。

神社から登山道へと続く階段から、既に雪で覆われており、滑らないよう注意しながら長尾平まで順調に下ってきました。この分岐から七代の滝へ降りるか、そのままロックガーデンを通らず芥場峠まで行くかですが、せっかく通れるようになったロックガーデン。行くしかありません。通行止めを記す看板をチラッと確認しますが、知っている内容のものだった為、きちんと見ないまま、七代の滝へと下降していきます。台風で破壊された滝手前の橋部分にやってくると、真新しい橋がきちんとかけられていましたが、その辺りの荒れ具合は相当なもので、自然の力というものをまざまざと見せつけられる思いがしました。ひっそりとした滝が今まで通りの美しさでいてくれたことを安堵の気持ちで確認したあとは、長い鉄梯子を伝って、天狗岩まで一気に高度を上げます。

ここからは、私の大好きなロックガーデンが続きます。懸念していたロックガーデンは、意外にもそのままの清流を保っており、初めて見る雪を被った沢の景色は趣がありました。あっと言う間に東屋が見えてきたので、一旦ここで小休止です。ふと行く手を見てみると、テープが貼られ、通行止めと書かれた看板が目に入りました。

「ナヌ!!??」

そんなはずはない。確かにネットで道路状況は調べたのに!おかしい…。ここまで来て、振り出しまで戻るのは相当な時間のロスだし、もしそうなら大岳に行く気は失せます。どうしても、ここを突破したい…。ザックを背負い、近くまで行ってみると、登山道崩落と書かれていました。しかし、ここから綾広の滝まではごくわずか。何度も通っている道だし、危険な道でもない。なんとか行けるかも…。と行く手をテープ越しに眺めてみると、幾重にも踏み跡が残っていました。雪のおかげでその踏み跡がはっきりとついていることから、自己責任で通った人がいることは明らかでした。この踏み跡がなければ、おそらく諦めて戻っていたと思いますが、大岳山に登るためにも、とりあえず強行突破で行けるところまで行ってみようとテープを迂回し、その先へ進むことにしました。

しばらくは沢伝いの道で、何の不都合もありませんでしたが、遠くに綾広の滝が確認できた頃、その手前に倒木があって、道が塞がれているのが見えました。なるほど。これか。と、倒木をくぐったり、跨いだりしながら、何とか滝の前にやってくることができました。




滝自体はそのままで、手前にある鳥居も何の損傷もありませんでした。

しかし、問題なのはその先でした。

滝壺から登山道へは、滝を背にして狭い急登があり、その後滝に向き直り、上から滝を眺めながらの巻道が付けられているのですが、その部分が見る影もなく崩落しています。まずは巻道へ登るための急登ですが、その狭い登山道の上に根こそぎ倒れた倒木の根っこがどっかり乗っかっており、完全に道は塞がれています。




仕方なしに、その根っこによじ登りながら巻道まで上がります。振り返り、今度は巻道へと進みますが、ここに付けられていた鉄柵が途中からバラバラと抜け落ち、グニャリと曲がりつつ下へ向かってダラリと垂れ下がっています。




いつの時点で崩落したのかわかりませんが、倒木の重みで鉄柵もろとも落ちたのか、地盤が緩んで崩落したのかいずれにしてもすごい力が生じたんだなぁ…と妙に感心しながら、まじまじと巻道を見つめます。崩落して道らしきものは殆ど残っておらず、わずかに残った山側の足場をカニ歩きさながら危険なトラバースをするしかないようです。ここを踏み外したら、数メートル下へ真っ逆さま。下手したら骨折だけでは済まないかもしれません。「ここはヤバイな〜…。」と思わず声に出して呟いてしまいましたが、慎重に行けば、通れないこともなさそうです。山側のわずかな岩に手がかりを見付けながら、慎重にそこを突破!!ふーーーー!!これでようやく登山道へ戻れると安堵したところで、

また更に壁が…。登山道から綾広の滝へ入れないように、途中ベニヤ板と丸太で道を封鎖しており、ここを乗り越えないと、道には戻れません。




仕方なく、丸太に足をかけ、よじ登り、跨いで何とか事なきを得ました。とんでもない冒険をしでかしてしまいました…。気持ち的にはもう大岳山とかどうでもいい。と思う程の掟破りです。普段だったら、絶対にこんなことはしません!!とレンジャーの方に心の中で謝りながら、登山道へと進みました。しかし、解せないのはあのHPです。確かに確認してから行ったのに…。半ばビジターセンターに恨み節を唱えつつも気持ちを切り替えて、大岳山へと向かいます。道は完全に雪に埋もれており、前日に入山した人たちに踏み固められ凍結気味。チェーンスパイクをつけようかどうしようか迷いつつも、然程足元に不安を感じなかった為、そのまま進むことにしました。芥場峠を過ぎると、途中木々の間から相模湾が光り輝いて見えていました。ああ、ここからも見えるんだな。と、暫しそのオレンジ色に輝く海にみとれました。

途中幾人かを追い越し、懸念していた岩場も何とかやり過ごし、大岳神社へ到着。ここからは、最後の急登です。いつもよりだいぶきつくて、息が上がって何度か立ち止まりました。やはり、雪道は体力が奪われます。ようやく着いた山頂はいつもながら美しい景色。富士山が真正面に白く輝いていました。周囲の奥多摩の山々も真っ白!

富士山を見ながら、お昼ご飯を食べ、このまま奥多摩駅に向かうかどうかを考えました。時間をみると、いつもより時間がかかっています。雪山のせいでいつも通りのペースでは歩けないことを考えると、鋸山経由で奥多摩駅へ向かうルートは避けたほうが良いと思えました。今回は、無理をせず、御嶽駅ピストンにしよう。と心に決め、そうと決まればさっと後片付けをして、来た道を戻ることにしました。結局チェーンスパイクは装着しないまま、無事に戻ってきました。そして、長尾平でもう一度注意書き看板をよくよく見てみると、私が確認した黄色看板の下に、付け加えて

休憩舎~綾広の滝休憩舎まで歩道崩落のため、通行止め(綾広の滝には行けません)

と書かれた看板が…。

ぬぉ〜!!!書いてある…!!完全に見逃していました…。

もうちょっときちんと看板を見ていれば、初めからロックガーデン通らなかったのに…。事前に確認したという思い込みが、今回とんでもない冒険の原因になってしまったので、この部分は猛省。でも、HPには通れるって書いてあったはずだけどなぁ…。

と、複雑な気持ちで帰路につきました。


帰りの電車でもう一度確認しましたが、やはり通行可能と書いています。これは、一言申告した方がいいのでは?と思い、今朝確認してみると、何と内容が更新されていました。…誰かが言ってくれたのでしょうか。あの崩落は、台風の時からだと思うし、昨日今日のことではなさそうだったので、1ヶ月以上間違った情報を出していたのかも??

何れにしても、情報が更新されて良かったです。

雪景色のロックガーデンも見られたし、見れないはずの綾広の滝も見れたし…。まあ、いっか!!


登り納めが、通行止め突破という褒められない山行になってしまいましたが、来年は安全登山を更に心がけて益々精進して行きたいと思います。



【今回の御岳山〜大岳山登山記録】   行動時間 4時間45分(標準タイム 5時間35分)

8:05 御岳山駅

8:24〜28 御岳山 14(45)

8:35 長尾平 7(13)

8:53 七代の滝 18(20)

9:58 芥場峠 1'05(1'30)

10:50 〜11:15 大岳山 52(45)

11:51 芥場峠 36(30)

12:30 長尾平 39(50)

12:50 御岳山駅 20(40)


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