今年初の雪山登山を楽しんだ先週に引き続き、今週も山です。
去年初のテント泊を経験したNちゃんと私。
今年はお互いFinetrackのツエルト2ロングを購入し、いつでも野営ができる
状態ではありますが、まだちょっと季節が寒い為、ツエルト泊デビューはも
う少し先になりそうです。
そこで、今回、いよいよ初の完全バリエーションルートを攻略すべく山行計画
を立てました!
最近ツエルト泊に関するあらゆる情報を入手する為、ネットでそのキーワード
を基に検索することが増えました。すると、youtubeでは必ずそのキーワード
で上がってくるある方がいて、その人の「とある峠」でのソロキャンプがなか
か素敵。誰も登って来なさそうなあきる野の山らしい。色々調べてみると、そ
の山はどうやら日蔭本田山というマイナーな低山らしいことが判明。
そこからまた更に検索を続けていくと、松浦隆康さんという方の書いたバリエ
ーションルートを推奨する本に到達。とても面白い内容だった為、早速3冊の
本を購入し、計画を立て始めました。
最終的には、youtubeをNちゃんにも見てもらい、謎の「とある峠」を確定さ
せるべく、日蔭本田山に決定しました。
この山、とある峠付近はどうやら港区民の森の一部に当たるらしく、そこは
標識もあるようでしたが、他の部分は1/25,000で見ても、また1/50,000で見て
も、完全なるバリエーション。地形図とコンパスを頼りに歩く他なさそうです。
救いは、里から然程離れていない山であることと、距離が比較的短いというこ
の2点。練習するにはもってこいなのではないかと、選択してみました。
さて、寮に前泊し、いつもより少し遅めの5時50分に出発。武蔵五日市駅に7時
頃到着しました。バスで10分程の「沢戸橋」で下車し、ガイドブックを頼りに
道なき道を上がっていきます。踏み跡はどうやら尾根の突端を巻いているよう
だったので尾根に上がらず東側を巻く感じでスタート。しばらくすると、一番
はじめの目標物である送電鉄塔が見えてきましたが、ここによじ登るのはかな
りの困難!!藪漕ぎしながら、完全にめちゃくちゃなルートで鉄塔の脚に辿り
着きました。ここまででやれやれです。本当は、早い段階で尾根に乗らなけれ
ばならなかったようです(笑)
送電鉄塔からはものすごい急な坂を登っていきますが、地形図で見るより随分
急に感じます。
さて、次なる目標物は二つ目の送電鉄塔。尾根伝いに404mの小ピークを目指し
ます。尾根筋はかなり明瞭ではありますが、道は相変わらず荒れています。
やがて、二つ目の送電鉄塔に到着。鉄塔の監視道となっているらしく、途中階段
があったりして、心が一瞬和みます。人工物を見てホッとさせられること自体、
いつもと大きく異なる心境で、バリエーションルート特有の常に不安と隣り合わ
せという緊張感溢れる山行が続きます。ここから一度コルに下り、そこから派生
した別の尾根に乗ります。樹林帯を進むと、先に標識らしきものが見えてきまし
た!モミの木峠を指し示す標識で、そこから暫く進むと、一気に目の前が開けま
した。見たことある風景!まさにyoutubeで見た「とある峠」の風景でした。
なるほど、五日市の街が見下ろせ、夜景は相当綺麗だろうと思われました。謎の
峠のところまで来られたということで、ここで小休止です。静かな峠で、一人山
の自然を楽しむには最適な場所かもしれません。
暫くこの景色を楽しんで、いよいよ日蔭本田山の山頂を目指し、進んでいきます。
この辺から、親切心だと思われる空のペットボトルに記された道標が木々にブラ
下がっているものが散見されるようになり、併せて、不気味な経典の書きつけや
意味不明の政治的な書きつけが増え、世の中にはおかしな人がいっぱいいるんだ
なぁと半ば恐怖を感じながら先へと進んでいきます。途中、何度か進んでいる尾根
に間違いがないかどうか不安を感じつつ、その度Nちゃんとコンパスで方向を確認
しながら、地形図と照らし合わせて相談しながら進んでいきます。
北に張り出した尾根を辿り、次が小ピーク、一度下って次のピークが山頂だと自信
を持つことができた時には、何か達成感のようなものがこみ上げてきました。
思った通り、そのピークはまさに日蔭本田山(629m)山頂でした!!
ここからは、戸倉三山が全て見渡せるというなかなか良い景色で、本当に静かな山
頂です。
さて、ここで暫し休憩を取り、このあとの予定を考えましたが、ちょっと時間が早
いこともあり、ガイドに載っていたもう一つのルート、荷田子峠も行ってみようか
ということになりました。そこで、ガスでお湯を沸かすのはやめにしてとりあえず
下山路へと向かいます。バリエーションで下山するのは実は今回が初めて。ここま
で登ってきた荒れた道を思うと、かなり不安になっていきます。ガイドにも山頂か
らは急降下が始まり、地形図上では北に尾根が派生しているのが確認できるが、実
際の降り口はわかりにくいと書かれていました。
山頂から少しゆるい尾根を下りていくと、地形図上では二手に道が分かれているよ
うになっていましたが、実際は突然尾根が途切れているような断崖に近い、道がな
くなった!と感じさせる尾根です。わかりやすいのは、西向きの尾根なのですが、
ガイドには意識して北に下りるようにとの指示。こんなところ下りられるのか!?
というような絶壁に近い斜面ですが、遠くにリボンが見えたので、意を決して下っ
ていきます。しかし、本当にここが、「その尾根」なのか、全く確信は持てません
でした。
この地形が、地図でいう北へ向かう尾根だとすれば、予備知識なしでは絶対に進む
このできない地形です。ガイドブックの「北へ行け!」というアドバイスがなけれ
ば、全く勇気が出ません。やはり、こうやって経験を積んでいくしか読図を攻略す
る手段はないのかもしれません。
その絶壁にしか見えなかった尾根ですが、よく見ると進むべき北方向に黄色のペイ
ントで木々にマークがされています。やはり、これで合っているのだろうと、滑落
に注意しながら、慎重に慎重に下りていきます。相変わらず、道は無数の木の枝や
枯葉などに埋め尽くされ、浮石だらけの相当危ない道。これは玄人しか通れない道
だなぁ。と思いながら、100mほど下りました。やがて左手に集落が見え、この先
は尾根を辿って行けば良いはずでしたが、途中から尋常でないほどの藪になりまし
た。かなり濃い藪で、これを通るのは至難の技です。仕方なく、他の道がないかど
うか戻ってみました。すると、通れそうな道を発見したので、そちらに行って見る
と、空き家に到達。そこにはガイドの通りフェンスがあって、人里には下りて行け
ないようになっていました。仕方なく、フェンス沿いに歩いていきますが、またも
朽ちた空き家に進路を阻まれ、先に進めなくなっていました。
山の斜面と空き家の間の狭いスペースには、どうやら先人がつけたと思われる踏み跡
があり、そのかなり危うい巻道を使って空き家を高巻きし、ようやくフェンスが切れ
た人家の脇に出ることができました。
それにしても、どうみてもあの藪の濃かった尾根の突端は、下からみても登り口が
見つからず、あのまま下りて行けそうにはありませんでした。そのあたりをウロウロ
し、本来の尾根の取付きを探してみましたが、結局わからず仕舞いでした。
そこから荷田子峠へと進もうと、1/50,000の地図でいう破線ルートを進もうとしまし
たが、道は相当荒れていて、日蔭本田山の比ではなかったため、時間との兼ね合いも
あり、途中で断念し、林道を30分ほど歩いて沢戸橋へと到着。今回の初バリエーショ
ンルート、日蔭本田山登山は終了となりました!
その後、立川駅でプチ打ち上げをし、地形図を見ながら反省会をしましたが、やはり
最後のあの藪に囲まれた尾根をどうやって下りるのかはわからないままでした。
やっぱり、地形を読むのは本当に難しいものです。
今回のバリエーションは、星二つということで、まあまあ難しい道だったわけで、こ
うやって短くてなんとかなりそうな山のバリエーションの経験を積み、読図のスキル
を上げていきたいね。と二人で話し合いました。
さて、次はいよいよツエルト泊でしょうか!?本当に楽しみです!
今回も、Nちゃんがいてくれて本当にありがたかったです。また今年も色んな山に挑戦
していきましょう!!
【今回の北横岳登山記録】 行動時間 4時間7分(標準タイム 2時間35分) ■ 山行時間 3時間32分
7:28 沢戸橋 8:36 鉄塔 1'08(55)
8:55〜9:08 モミの木峠手前 24
9:22 赤松峠 14
9:38〜9:45 石立ノ頭 16
10:08〜10:23 日蔭本田山 23【77】(55)
11:35 下山 1'08(45)
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