top of page
  • 執筆者の写真junpei

北岳



いつかは登ってみたいと前々から憧れていた北岳。 その北岳にいよいよ挑戦する日がやってきました。 メンバーは隊長Kさんを筆頭に、ハードな山をKさんと次々制覇してき たNさん、そしてNさんと同期で私の師匠と同門であるNちゃん。 総勢4名での山行です。 しかし、なかなか全員のスケジュールは合わず、最終的には予定から 1週間前倒しで出発することになりました。 折しもその週は仕事も山場、呑み会続き、でも乗馬は欠かさない。と いう、いつものありがちなパターン「自分で自分の首を絞める」殺人的 スケジュールを組んでしまっており、北岳登山に耐えうる体力 が残されるかどうかがかなり怪しくなってきました。 さすがに出発前夜の呑み会は、途中でお暇することにし、寮泊で早目の 就寝、2時に起床。同じく寮泊だったNちゃん、車で到着したNさんを ピックアップしてもらい、2時半。Kさんの車でいざ芦安へ出発です。 芦安からバスで約1時間。ようやく広河原へ到着しました。南アルプス はやはり奥まったところにある山なのです。 バス停から野呂川を渡る吊り橋が見えてくると、その先にドーーーンと 北岳がそびえていました。バットレスのゴツゴツした陰影やその威圧的 な山容にいきなり胸打たれます。カッコイイ…!! いよいよこの山に登るのかと思うと、期待と不安が入り交じって何とも 言えない気持ちです。 初日は大樺沢を詰め、八本歯のコルから北岳山荘へのトラバース道を通 らず吊り尾根分岐へ直登するルートで山荘へ向かいます。 吊り橋を渡り、広河原山荘を過ぎて程なく最初の分岐を大樺沢へ向かい 沢伝いに登って行きます。比較的緩やかだった道は、二俣を過ぎた頃か ら険しさを増し、眼前にそそり立つような急登をただただひたすらに 登って行きます。途中振り返ると、鳳凰三山の主稜線がはっきりと見え てきました。野呂川を挟んだ東側が鳳凰三山ということで、やはり相当 な近さを感じます。更に沢を詰め、八本歯の頭が目前に迫ってくると、 地蔵岳のオベリスクまで容易に確認できる程になりました。相変わらず 足取りの軽いKさんのスピードには到底付いてゆけず、マイペースでゆ っくりゆっくり歩を進め、ようやく八本歯のコルへ到着! しかしここからが地味にキツい!次々に現れる丸太の梯子にペースを崩 され、すぐに息が上がります。 暫くすると、北岳山荘への近道であるトラバース道分岐までやって来ま した。本来であれば、このトラバース道を行きたい所ですが、登山道上 部に不安定な大岩があるらしく、落石の危険があるため暫くの間この道 は通行禁止。となると吊り尾根への直登ルートを行くしかありません。 この迂回路を使うと、更に45分程の歩行を余儀なくされる計算です。 登る前からかなりげんなりです。 このトラバース道への分岐を過ぎた辺りで昼食を取り、ゆっくりした後 で分岐へと向かいますが、然程疲労が回復している感もなくキツさは同 じです。しかし、とうとう吊り尾根分岐までやってきました。 目の前には去年登った甲斐駒ケ岳と仙丈ヶ岳が!!やはりこうして見て みると、登った日のことが思い出され、感慨もひとしおです。 さて、ここまで来れば北岳山荘まで尾根を下るのみ! あと少しだからと自らを鼓舞しますが、この道、ほぼ岩稜帯のかなり険 しい下り…。いや〜な気持ちになってきます。 何故なら、翌朝この道を登り返し、山頂へと進まなければならない為。 下り坂で、多少足運びは速く軽くなっているにも関わらず、気持ちはど んよりと重いという複雑な心境。しかも小屋の姿は見えているのに意外 と遠い…。 そんなブルーな気持ちになりつつも無事北岳山荘へと到着! よく頑張りました…!! 食堂の窓の外には美しい富士山。そんな素晴らしい景色を眺めながら、 ビールで乾杯。おしゃべりしながら、ゆっくりと時間を過ごします。 至福の時です。 やがて陽が落ち、辺りが赤く染まる中、Nちゃんと二人、ケルンを風よ けにして夕陽に染まる山々を暫く見つめていました。燃えるように赤く 染まる北岳の美しさには言葉もなく、ただただその景色に見入るだけで した…。 その後おいしい夕食を頂き、満天の星空を眺め、消灯時間よりも早い 20時前には就寝となりました。 翌朝、これまたおいしい朝ご飯を頂き、御来光を見ていよいよ山頂へと 出発です。 前日相当マッサージしたのにも関わらず、足への疲労はかなりのもの。 小屋の階段を上るだけでかなり足に疲労がきているのがわかります。 こんなんで山頂へ行けるのか…??とまたも不安でいっぱいになります が、行くしかありません。かなりの強風で時折よろめきながら、ゆっく りゆっくり歩を進めます。暫くすると分岐にやってきました。 NさんとKさんはここから山頂まであと20分だと言いますが、その計算 だと30分は巻く計算。 「ウソ〜!!ホントに!?」 と喜んだのも束の間、そこが吊り尾根分岐だと勘違いしていたことに気 付くのにそれ程時間はかかりませんでした。そんなはずはありません。 前日にあんなにどんよりした気持ちになる程の道だったのですから…。 そうこうするうちに、吊り尾根分岐を過ぎ、いよいよ険しい岩稜帯を登 って行くと、北岳山頂(3,193m)に到着しました!! No.1の富士山を除けば、あとの山々は全てここより下。間ノ岳、農鳥 岳をはじめ、鳳凰三山、八ヶ岳、甲斐駒ケ岳、仙丈ヶ岳、中央アルプス に北アルプス…!!まさに絶景です。 暫く山頂からの景色を堪能し、下山します。 下山は、肩の小屋を過ぎて小太郎尾根分岐から草スベリで白根御池小屋 へ下るコース。1/25,000で確認した所、この草スベリと、白根御池小 屋からトラバースした道から大樺沢へ下る道が相当な急坂です。地形図 通りの急な下りをどんどん下りて行きます。 途中可愛らしい小鳥が目の前に現れました。調べてみると、どうやら イワヒバリらしい。暫し小鳥に癒されながら、険しい岩場を下りて行き ます。 最近自分でも感じるのは、下りの岩場歩きが以前と比べて格段に上手に なったこと。2年前鳳凰三山の地蔵岳から観音岳に続く岩稜帯を、おっ かなびっくりNさんの手を借りながら歩いた頃から見れば、かなり速く 歩けるようになりました。Nさんから見てもそう感じるようで、私も大 分成長したのかもしれません。 かなりの斜度の草スベリもようやく終了で、白根御池が見えてきました。 ここで昼食。仰ぎ見る北岳は紅葉に包まれて、どこを切り取っても絵は がきのよう。そんな素晴らしい景色を眺めながら、お弁当の助六を食べ 残りの登山道を無事に下りられるようエネルギーチャージします。 ここから暫くはトラバース道。 パッと見では純粋に標高差のないトラバースだと思って安心していまし たが、実際歩いてみると意外にもまた登り返しがありました。あとから よくよく地形図を見てみると、40mくらい登ったりしている箇所が見 受けられ、たった数十mの登りでもこんなに疲労を感じるものなんだ なぁと妙に納得。 さて、いよいよ最後の急坂を下り、分岐へ。そして無事に広河原へ到着 しました! 素晴らしい天気に恵まれ、今回も思い出深い素晴らしい登山となりまし た!! ご一緒したKさん、Nさん、Nちゃん、本当にありがとうございました。 また是非、山にご一緒しましょう! 【今回の北岳登山記録】   初日行動時間 7時間14分(標準タイム 6時間55分)  ■山行タイム 約6時間 6:40 広河原 7:09 分岐  29(25) 9:08〜9:37 大樺沢二俣 1’59(1’40) 11:55〜12:35 八本歯のコル付近 2’23(2’30) 13:15 吊り尾根分岐 40(60)  13:54 北岳山荘  39(55)   二日目行動時間 6時間50分(標準タイム5時間40分)                  ■山行タイム 4時間47分 6:00 北岳山荘  6:47〜6:53 トラバース道分岐 47    7:14〜7:37  北岳(3,193m) 22 8:10〜8:28 肩ノ小屋 33 〈1’42〉(1’40) 8:49〜8:59  小太郎分岐 21(20)  9:08〜9:13  分岐   8 9:57〜10:54 白根御池小屋 44〈1’13〉(1’30) 12:25〜12:32 分岐 1’31(1’30)   12:53 広河原 21(20) ∴ 百名山記録 25/100   【丹沢山 奥白根山 筑波山 草津白根山 四阿山 浅間山    金峰山 瑞牆山 火打山 妙高山 大菩薩嶺 鳳凰三山    谷川岳  蓼科山  雲取山 八ヶ岳 常念岳 仙丈ヶ岳  甲斐駒ケ岳 赤城山 男体山 岩木山 富士山 美ヶ原 北岳】


閲覧数:13回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page