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大岳山〜鋸尾根と馬頭刈尾根〜



年末から次々やってくる寒波のせいで何度も流れている雪山。 本当だったら2018年の初登りとして、思い出深い天狗岳に登っているはずで したが、諸事情により今回も延期となってしまいました。 天気もこれ以上ないという位良い予報が出ていた事もあり、相当気落ちして仕 事も上の空になるくらい。 でも、暫く山には行っておらず、どうしても行きたい…!! 今年も登り始めはやはり単独行からということになりました。 さて、どこに登ろうか。 高尾山〜陣馬山も考えましたが、いつもとちょっと違うところを歩いてみた い。 そこで、今回は王道の御嶽山〜大岳〜鋸山〜奥多摩駅のルートを逆行し、鋸尾 根で大岳山へ。その後はロックガーデンには寄らず、馬頭刈尾根で下山する ルートを選択することにしました。 まずは鋸尾根。実はこのルート何度も通ってはいるのですが、逆行するのは2 回目。しかも前回は鋸山手前で御前山方向に行ったので、大岳山まで登るのは 初めてです。この尾根、なかなか登りがいのある尾根です。下りで使っても、 なかなかのもの。というのもかなり距離が長いのです。標準タイムで行っても 4時間はかかります。 しかも今回は御岳山には下山せず、馬頭刈尾根を使う事から、いつもより若干 時間を多めに見積もっておかないといけません。初めて通る道ということもあ り、時間には余裕を持って行動したい所です。 登山口から愛宕山に至る187段の朽ちた階段がまずはお出迎え。尾根に乗るま での急登で一気に汗がにじみます。 尾根からは冬枯れの木立の間から、川苔山や本仁田山、御前山が見えていまし た。やはり、冬には冬の良さがあり、その景色にも風情があります。 なかなか出て来ない1,046.7の三角点。そこまで何の目印もなく淡々と長い尾 根を登ります。ようやく三角点到達で、鋸山が目前だと確認でき、ホッとしま す。かなり頑張って歩いて来たので、なかなかのペースで来ている様子。 御前山への分岐を過ぎ、鋸山山頂へ。殆ど休憩らしい休憩も取らず大岳山へと 向かいます。鋸山を過ぎると気持ちの良い尾根道が続きます。木々の間からは 富士山も見えていました。冬の特典です。 やがて、行く手に大岳山が見えてきました。最後は岩場の急登となります。 もっと長かったような岩場でしたが、案外あっさりと山頂へ着いてしまいまし た。ここまでおよそ3時間。かなり頑張りました。 ガスでお湯を沸かしてお味噌汁を飲みつつ、おにぎりで早目の昼食です。山頂 で初めて登山者と会う程鋸尾根を使う人は少なく、未だマイナールート。 山頂の素晴らしい景色を堪能し、いざ下山です。岩場を下り始めると、数人の 登山者とすれ違いました。やはり、大岳山は人気のある山です。 あっという間に大岳神社まで下って来たのでここで参拝し、いよいよ馬頭刈尾 根を使っての下山です。 こちらを通る人は殆どいない様子。誰ともすれ違いません。お供は、尾根から 始終見えている富士山で、途中展望の開けた場所もあり、なかなか気持ちの良 い素敵な尾根道です。 富士山に見とれて立ち止まっていると、下から声が聞こえてきました。 数人のグループかと思いきや男性お一人で、何やら独り言を言いながら登って きます。「こんにちは」と挨拶しますが、気付かない様子。道も狭いので、上 で待っていると、寸前で私に気付き「わっ!!」と驚きつつも挨拶してくれま した。ひとりごちてヘトヘトで歩いていたので気付かなかったようです。 軍道から来たとおっしゃっていて、アップダウンがあってきついとかなりお疲 れのご様子。確かにあそこからだとかなりロング。私もいつか歩いてみたいと ころです。暫し会話をして別れます。 ずっと平坦なのかと思っていたこの尾根も、確かにあの男性が言うように小さ いアップダウンは続いていて、岩場もあり変化があって楽しい道です。 富士見台というその名の通り美しい開けた場所からは、富士山のみならず大岳 山と御前山が間近に見え、かなりの絶景ポイント。 そこからまた尾根道に戻り、クライミングで有名らしいつづら岩が来た所で今 回はこの馬頭刈尾根におさらばです。 冬でなければ馬頭刈山まで行き、軍道まで下りて超ロング山行にしたいところ ですが、今は一番日が短い季節。今日の所はここで終了です。 それに、ここから下りる理由は他にありました。滝が二つ見られるということ です。 分岐を過ぎると、かなり大概な急坂を下ります。ここを登るのはイヤだなぁ… と思っていた頃、一つ目の滝「綾滝」が現れました。 思わずため息が洩れる程、音もなくそれこそ静かに静かにひっそりと流れるな んとも言えない美しい滝でした。 ごうごうと音を立てて流れる滝も迫力があって良いですが、こうしてひっそり と流れる滝の美しいこと…。思わずふっと「かそけき」という言葉がわいてき ました。 「かそけき滝」…暫くその美しさに心動かされ、佇んでいました。 そこから数百m下りると、「天狗滝」。こちらも音はなく、岩肌をすべるよう に水が流れていて美しい滝です。少し開けた明るい所を流れている為、幽玄さ は「綾滝」の方にあるように思いました。 天狗滝の裏に回ると、小天狗滝があって、登山道はそこでおしまい。林道へと 続きます。時間を見ると、払沢の滝入口まで1キロ程歩けば、別ルートのバス に乗れそうな時間。ということで半ば小走りにバス停まで歩き、今回の登山は 終了ということになりました。 雪山へ行けなかったのは残念でしたが、今回はこのルートを歩けたおかげで、 馬頭刈尾根と趣深い滝に出逢う事ができました。これも何かの巡り合わせかも しれません。 生きていればこそ、否応なく積み重なる心の澱。私にとっての登山は、もはや スポーツという域には納まらず、「カタルシス」つまり心の浄化へと高められ ているように感じます。 生きる上でカタルシスは、必要不可欠。その浄化の方法は人それぞれ違うのか もしれませんが、その方法がわからないまま苦しむ人も中にはいるだろうと思 います。 今回はそんな事も考えつつ、ある方に心を寄せながらの登山となりました。 今年も、こうして山に心癒されながら、日々生きていきたいと思います。 【今回の御前山登山記録】   行動時間 6時間(標準タイム  6時間50分)  7:45 奥多摩駅 9:36 御前山分岐 1’51(2’20) 10:42〜11:10 大岳山(1,266.5m) 1’06(1’40)   12:00 富士見台  12:35 つづら岩 1’25(1’25)   12:50 綾滝 13:08 天狗滝 33(1’00)   13:45 払沢の滝入口 37(35)


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