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  • 執筆者の写真junpei

本当のリベンジ〜丹沢縦走〜



今から6年前、東北大震災があった直後の5月。 私が登山デビューした年です。 酔った勢いで、ぽろっと口にしてしまった「一度山に登ってみたい。」の 言葉を聞き漏らさず、導き、その魅力を教えてくれた大切な師匠。 その師匠と共に初めて挑戦した山。それが丹沢でした。 登山のとの字も知らない私をまんまと騙し、いきなり山小屋泊の丹沢縦走 へと連れて行った恐ろしい師匠の企みが本当は何だったのかはご本人に聞 いてみなければわかりませんが(今となっては大体見当がつきますが)、 実は山にはまるよう絶妙に仕組んだ師匠の策略だったのかも?ということ にしておきましょう。(笑) あの日期せずして師匠が道を間違えたせいで、当初予定のルート(大倉~ 鍋割山~塔ノ岳【尊仏山荘泊】~丹沢山~蛭ヶ岳~東野バス停)はお預け のまま今に至っていました。 そもそも塔ノ岳には、大倉尾根を使うのが普通ですが、敢えて遠回りの鍋 割山稜を使っている辺りからしても、何も知らないど素人のデビュー戦に してはかなりハードルの高い山行! 丹沢山から若干短い宮ヶ瀬へのルートに変わったとは言え、なかなかあの デビュー戦を超える山には出逢わない程で、私の中では過酷な登山として 今なお鮮烈な思い出となっています。 その後沢山の山を登るうちに、改めてあの時の自分と今の自分がどれ位進 化しているのかを確かめたい。という気持ちが段々と芽生えてきました。 聞けばKさんも丹沢縦走には以前から興味がある様子。 たまたまKさんの車が修理中だったこともあり、年始1発目の雪山登山に丹 沢縦走を選択することとなりました。 早朝、タクシーでピックアップして頂き、新百合ヶ丘駅へ。小田急線で渋 沢へ向かいます。 大倉行きのバス停には、平日にも関わらずかなりの登山客が並んでいて、 その人気の高さが窺えました。 いよいよ丹沢縦走リベンジの始まりで、いつものように不安と緊張感に包 まれます。 二俣を越えると本格的な登山道が始まりました。しかし、案外呆気なく後 沢乗越へ到着。こここからが鍋割山への核心部分です。 永遠に続く階段地獄で、鍋割山に着くまでに何回も『死ぬ』と思わされた 恐ろしい記憶が蘇ります。やはり、きつい! しかし、これもまた記憶よりは大分違う感覚で山頂へ着いてしまいまし た。 多少なりとも成長していることは間違いないようで、何だかやっぱり嬉し さがこみ上げる瞬間です。 前回来たときには食べなかった有名な鍋焼きうどんを今回はおいしく頂き、先へと進みます。 鍋割山までは皆無だった雪も、山頂以降は完全に雪山。 いよいよアイゼン装着でガシガシ登っていきます。 鍋割山までがあまりにもきつくて、鍋割山から塔ノ岳、更には丹沢山まで の道が辛かったという記憶は然程なかったのですが、意外にもなかなか山 頂へは着きませんでした。 塔ノ岳の手前では、尊仏山荘の看板猫みーちゃんとは別の見知らぬ猫ちゃ んが『ニャー』と鳴いてお出迎え。 みーちゃんに会いたくて、小屋の外から彼の姿を探しますが、残念ながら 見つけられなかった為、目的地丹沢山へ向けてすぐに出発です。 そして予定時間より若干早く、無事丹沢山みやま山荘へ到着。 一応大部屋に仕切り的なものがある個室のようなところに寝床を頂き、夕食までの間ビールで乾杯。 おいしい鉄板焼きの夕食を頂いたあとは、血気盛んなおじさまおばさま達 のグループにストーブ周りを占領されてしまった為、消灯時間まで星を見 にいったりKさんとお話しながらまったりと時間を過ごしました。 カーテンのない大きな窓からの冷気で寒くて眠れないのではと懸念された 寝床も、予想外に暖かくソコソコの睡眠を得ることができ一安心。 朝ご飯を頂き、出発までには時間があったので、日の出を撮影しようと 外に出てみるとなんと気温はマイナス20度! 風も強く、なかなかの状況下でのスタートとなりました。 丹沢山から蛭ヶ岳は近そうに見えてアップダウンもかなりあり、距離も結 構あります。 あと一山かと思えばまだまだ先があったりしてその度に萎える気持ちを封印しながら先へ進みます。 ようやく最後のピークの上にちょこんと乗っかる蛭ヶ岳山荘が間近に見え てきたと思ったら、そこは唯一鎖の付いた急峻な岩場の鬼ヶ岩でした。 思わず怖い!と口にしてしまう程の急斜面でしたが、Kさんのアドバイス を聞きながら何とかクリア。 最後の登り返しを過ぎ、ようやく蛭ヶ岳へ到着しました。 ここからの眺めはまた格別で、富士山に加えて初島や大島が見渡せる絶景 が広がっています。 その後いくつかのピークを越え最後のピークである姫次へ到着。 ここで昼食を取り、あとは下山のみでようやく終わりが見えてきたとホッ としたのも束の間、残された体力を搾り取られるような急坂が出現。 勢い良く降りて行くKさんの後を必死で追いますが、どんどん大腿四頭筋 に乳酸がたまっていくのを感じます。 さすがKさん、この坂でもびくともしない…やはり超人!と思っていると 『これ、かなりすげーな!』 とふり返りこちらに同意を求めてきたので、何だか安心しました。 そうこうするうちにようやくバス停へ到着!!相当疲労困憊です。 バスの時間までにはまだ大分時間があったので、飲み物を買ってひなびた 商店を出た直後、1台の車が止まりました。 なんと私達を途中のバス停まで連れて行ってくれるとのこと! 私は気付かなかったのですが、途中ですれちがった二人組のおばさま達な のでした。 「神様!!」 と思わず口にしてしまいたくなる程、親切なおばさま達に心から感謝! 聞けばお二人ともかなりのベテランで、声をかけてくださったおばさまは、なんと年間104日山に入っているだけでなく、コンパスを使ったバリ エーションルートで登ったりしているというほんまもんの「山屋」なので した。カッコイイ!!! 短い時間でしたが感心させられることしきりの楽しいドライブでした。 さて、心優しいおばさま達のお陰で、大分時間短縮で駅に到着。 珍しく二人で祝杯をあげ、厳しいトレーニングとなった丹沢縦走リベンジ はこれにて終了となりました。 しかし、雪山で通常登山よりは明らかにハードな内容でしたが、たとえ無 雪期であってもこのルートは絶対に上級者コース。 何も知らないド素人がいきなり登る山じゃないことは確かです!! …師匠の嘘つきーーーー!!! あの時、丹沢山で道を間違ってくれてホントに良かった…。 でも、そんなハードな山を歩けるようになった私、やっぱり成長している みたいです。 富士山雪訓に続いてハードな山行が続いていますが、今年もこんな感じで バンバン山に行こうと思います! Kさん引き続き、よろしくお願い致します。 【今回の丹沢縦走登山記録】   初日行動時間 7時間39分(標準タイム  6時間30分)    7:21 大倉バス停 8:40 二俣 1’20(1’20) 9:36 後沢乗越 56(45) 10:46〜11:54 鍋割山(1272.5m) 1’10(1’10)    12:53 大丸  13:32 塔ノ岳(1490.9m) 1’38(1’15) 15:00 丹沢山(1567.1m) 1’28(60)   二日目行動時間 7時間18分(標準タイム  4時間50分)    8:00 丹沢山 9:07 棚沢ノ頭 1’07(50) 10:12 〜10:32 蛭ヶ岳(1672.7m) 1’05(45) 12:11〜12:44 姫次 1’39(1’05)    14:43 八丁坂分岐 1’59(1’25 )  15:18 東野バス停 40(45) ∴ 百名山記録 19/100   【丹沢山 奥白根山 筑波山 草津白根山 四阿山 浅間山    金峰山 瑞牆山 火打山 妙高山 大菩薩嶺 鳳凰三山    谷川岳  蓼科山  雲取山 八ヶ岳 常念岳 仙丈ヶ岳  甲斐駒ケ岳】


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