top of page
  • 執筆者の写真junpei

雲取山リベンジ〜奥多摩三大急登〜



梅雨時期に、Nちゃんと二人で決行した雲取山は、二日目の大雨の為石尾根から 下山する予定を急遽変更し、結局鴨沢ピストンの山行となりました。 もう一度秋にリベンジしようと堅く決意した私達でしたが、9月頭に怪我をした 私は、「一生高い山には登れない」と死刑宣告とも言える厳しい診断を下されて しまいました。思わず先生の目の前で涙が出そうになり、かなり精神的にも落ち 込みましたが、それでも「やる!!」と決意。 いつもの筋トレに加え、更に膝周りの筋肉を強化。最近まじまじと両足を見比べ てみたところ、明らかに怪我をした左足の方が筋肉がついてきたようです。 この調子でずっとトレーニングを続ければ、おそらく大丈夫なんじゃないか。 そんな気持ちで、小手試しに「雲取山」から始めてみることにしました。 急な日程調整だったものの、Nちゃんからは快諾をもらい、かなりロングではあ りますが、初日稲村岩尾根を使い、鷹ノ巣山経由で雲取山荘へ。二日目は再度鷹 ノ巣山を通って、石尾根で奥多摩駅へ。という超ハードコースを選択することに しました。 休憩時間を入れると8時間はかかるコースなので、お互い羽村に前乗りし、ホテ ルを5時半に出発。奥多摩駅7:04発のバスに乗り込みました。 しかし、この時点で既に事件発生…。 なんと、いつも必ず作っている1/50,000と1/25,000の地図をどこかに紛失した ことが判明…!! おそらく、前日に府中で飲んだ際、どこかに落としてしまったらしい…。 ああ、酔っぱらいってほんとにサイテーー!! そもそも登山前日に夜遅くまで飲んでいる事自体、ダメ人間なのですが(笑) 地図がないとなるといささか不安ではありますが、GPSもあることなので、致し 方なくGPSを作動させながらの山歩きとなりました。 東日原バス停から程なくして、左手に稲村岩がそびえ立っているのが見えて きました。なかなか、存在感のある大きな岩山です。この稲村岩尾根は、奥多摩 三大急登のひとつとされています。9月に行った三頭山のヌカザス尾根に続いて 2つ目の挑戦。登山道入口からはやはり思っていた通り、いきなりの急登でかな りの険しさ。1/25,000を見てみると、登り始めが620mで、稲村岩のコル までが約900m。300mの急登です。それを一気に上り詰めるので、地図上 の茶色い線がほぼ重なって茶色いエリアが出来ている程です。 途端に息が切れ、立ち止まって深呼吸を入れながらでないと歩けないくらい! 「キツイ!!」と悲鳴を上げながらも高度を増していくと、稲村岩の西側コルへ 到達しました。ここからはひたすらに尾根歩きです。とは言え、鷹ノ巣山までは ずーーっと等高線が混んでいて、山頂まではまだあと850mもあり、相当キツい 登山道であることは間違いありません。 wikipediaによれば、 稲村岩尾根を通る道は「奥多摩三大急登」の一つに数えられており、約3kmで一気に 1100mの標高差を登る(勾配約40%)非常に厳しいコースである。 と書かれており、読んだ本人もビックリなコースなのでした。鷹ノ巣山で標高差 約1,100m。その後雲取山までの標高差が約300m。その距離と時間を考えても 鷹ノ巣山まででいかに短時間で高度を稼いでいるかがわかります。 相当な疲労が足にきていて、鷹ノ巣山山頂(1736.6m)に着いてやれやれと思っ た矢先、目の前にどーんと富士山が!!思わず疲れも吹っ飛ぶ程の景色! 広々した山頂からは奥多摩駅方面に向かって伸びる石尾根の美しいラインがよ く見えます。そして、大岳山、御前山、三頭山。遠くには、雪を冠った南アルプ スの山々がかなりくっきりと見えていました。 ああーーー!!良かった良かった!本来だと二日間とも雨予報で、ものすごく 辛い登山になると覚悟していたので、本当に有り難い限り! さて、残りの行程がまだまだあるので、急ぎ目で七ツ石山へ向かいます。七ツ石 山までは、二つのピークがありますが、どちらも眺望はないとのデータがあり、 なんとしても15時半までには小屋に到着したい事から、巻き道で先を急ぎます。 しかし、この延々と続く巻き道が長くて長くて、疲労感はどんどん増していきま す。すると、行く手に初めて人の姿が。なんと登山道にどっかりと腰を下ろし、 昼食を食べている団体さんがいました。「ちょっとーー!そこ、登山道なんです けど…!」と思いながら進むと、「すみませーーん!」と、直前でどいてはくれ ましたが、あんなに思いっきり登山道に座り込んで昼食を取るなんて、マナーが 悪すぎます(怒)そのグループを抜き去ると、7つの大きな岩が整然と並んでお りその先に山頂を示す標識が。七ツ石山山頂(1,757.3m)です。 「おおーーー!!ようやく七ツ石山まで来た!!」 予定時間からは30分程巻いて山頂に着き、急いでお昼を食べました。休憩もそこ そこに、いよいよ雲取山目指して出発です。 ここからは、前回にも歩いている行程なので、ようやく知った道に安心しつつ、 先を急ぎます。途中、前回最後に苦しめられた小雲取山を巻いて、雲取山山頂 (2,017.1m)へ。 なにやら新しい石碑が立っていたり、標識も新しいものに変わっていたりで、こ の数ヶ月の間に色々手が入ったようです。 せっかくの山頂ですが、富士山は雲の中。いよいよ雨が降り出しそうな雰囲気が 出てきたので、滞在時間は5分程。ごおごおと吹きすさぶ風の中、雲取山荘まで 一目散に下りて行きました。結果的にはなんと6時間半という驚異的な早さでの 到着となりました。日が短くなっている分、早く到着したいと頑張った甲斐が ありました!! さて、小屋へ着いてみると、代替わりして息子が宿の主人となったものと思って いたはずが、先代のおじさんが玄関にどっかり腰を下ろしています。 しかし、話してみると案外気さくでいい人。ネット等の口コミや評判だと、もっ と怖くて感じの悪い人なのかと思っていたのですが。おそらく、マナーの悪い 登山客には厳しいのかもしれません。 さて、翌日の行程を聞かれ「石尾根」と答えた私におじさんが 「え?石尾根?明日雨だよ。それに、六ツ石からは赤土で、すごく滑るから気を 付けないといけないよ。」とのアドバイス。 「実は前回も石尾根を使うつもりだったのが、大雨で断念して急遽鴨沢に下りた けど、今回もまた雨でどうやら雲取山とは相性が悪いみたい。」 と私が言うと、ニヤッとしながら 「何回来ても雨なんじゃない?」だって(苦笑) 紅葉シーズンで懸念していたお部屋の状況は、今回も平日の為お客さんは少なく て、無事個室をゲット。しかも前回同様一番乗りで小屋に着いた為、前回と同じ く、2階の一番奥の部屋でした。まずは豆炭こたつで暖を取り、あったまったと ころでビールで乾杯! 飲みつつ話し合ったのは、翌日のルートのこと。小屋に到着して間もなく、雨が 降り出し、かなり風も強くて大荒れの天気となってきました。 相当ロングコースでもあるし、雨で道が悪い場合は確かに危ない…しかもこの 季節だと低体温症にも注意しなければいけない…。 おじさんですら石尾根を使ったことは1度しかないとのことで、今日1日の行程 で相当足に疲労がたまっているのを痛切に感じていた私達は、結局今回も残念だ けど石尾根は見送り、鴨沢へ下りる事に決めました。 そうと決まれば、バスに間に合うように下りなければなりません。前回は七ツ石 山手前で急遽ルート変更したため、まるでトレラン状態で標準タイム4時間のと ころを、なんと3時間40分で駆け下りました。 しかし、あの状況はなんとしても避けなければいけません。4時過ぎに起床。準 備万端で5時から食事。その後すぐに出発すれば、なんとか休憩を含めても標準 タイムと変わらない時間で下山できるだろうし、10:13分のバスに間に合うだろ う。ということで話がまとまりました。 定番のハンバーグを食べ、豆炭こたつに足を突っ込んだまま 20時には就寝。 夜の間、ずっとものすごい風と叩き付ける雨の音で浅い眠りながらも眠り続け、 4時過ぎに起床。朝ご飯を食べ、誰よりも早く小屋を出発しました。出がけには おじさんに「鴨沢へ下ります。」とご報告。 おじさんは、うんうん、と納得した表情で、「足元悪いしね。」と答えます。 「石尾根はまたの機会にします。」と言うと、「また次も雨だよ」とまたもニヤ リ。そして「雲取山は雨が多いんだよ。山だから仕方ないよね。」とおじさん。 確かに自然相手なんだから、仕方が無い。だからこそ、また来る楽しみも出来る というもの。 そんなやりとりをしつつ、5時35分まだ真っ暗闇の中小屋を後にしました。 雨は殆ど上がっていましたが、フル装備のままヘッドライトを頼りに歩き始めま す。悪天候で眺望が無いため、始めから雲取山は巻いて行こうと決めていたので 小屋を出てすぐに東側に付けられた巻き道を進みます。巻き道の為、かなり切れ 落ちた箇所が多くて、暗いのでかなりの恐怖感。ゆっくりしか進めず思った以上 に時間がかかりつつも、ようやく本道に入り夜も明けた頃に緊張感がやっと解け ました。その後は、ただひたすら鴨沢へ向けて下山するのみです。 前回は大雨の中、ほぼ走り下りるようにして下ったこの道ですが、今日は比較的 余裕があるので普通に下山していきますが、前日の疲労が足に相当残っており、 かなり下山するのもキツい状況。これは無理して石尾根ルートを選択せず本当に 良かったと痛感しました。 石尾根を使って下りるなら、初日は鴨沢から入らないとおそらく体力が持たない かもしれません。一番楽そうな鴨沢コースですら短い訳でもないので、初日二日 目とロングコースを選択するには相当の覚悟がないとダメなのかも。それでも、 今回は、奥多摩三大急登「稲村岩尾根」を使って雲取山を目指すというミッショ ンはコンプリートしたわけで、これはこれで素晴らしいこと! さてそうこうするうちに、小袖乗越まで下山してきました。時間は余裕です。 しかし、ここから20分の林道歩きが、疲労した足に更に追い討ちをかけるという 辛さ…!!!悲鳴を上げながらようやく鴨沢バス停に到着!! やれやれと装備を片付けようとした瞬間、目の前に奥多摩駅行きのバスが到着し ました。「えっ!!」と驚きながらも慌てて飛び乗り、更に早い時間に奥多摩駅 に到着となりました。 その後前回と同じく、沢井で途中下車して雲取山登山成功に祝杯をあげ、フラフ ラになりながら帰宅しました。 今回も、無事、楽しい登山ができました!!Nちゃんありがとう♪ 怪我後の復活登山、なんとかクリアすることができました。 またリベンジのリベンジで雲取山に挑戦しましょう(笑) 【今回の雲取山登山記録】   初日行動時間 6時間47分(標準タイム  7時間5分)  7:50 稲村岩尾根登山口 8:43 稲村岩 43(55) 10:35〜10:43 鷹ノ巣山 1’52(2’10) 11:04 鷹ノ巣山避難小屋 21(25)   12:28〜12:50  七ツ石山 1’24(1’40) 13:21 奥多摩小屋 41(40)   14:05〜14:10 雲取山(2,017.1m) 44(55) 14:37 雲取山荘 27(20)   二日目行動時間 4時間2分(標準タイム  3時間40分)  5:35 雲取山荘 6:41〜6:53 奥多摩小屋 1’06(45)※暗く、切れ落ちた巻き道でロス? 8:12 堂所 1’19(1’15)   9:12  小袖乗越 60(1’20) 9:37 鴨沢バス停 25(20)


閲覧数:3回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page