• junpei

苗場山



昨年千葉に甚大な被害を及ぼした台風15号から早一年。

台風から逃れるように師匠の別荘に前乗りし、宝剣岳&木曽駒ヶ岳に行ってから1年経ったということです。

今年はありがたいことに台風の接近が少ない為、恒例登山も無事に決行です。

今回向かうことにした山は、苗場山。

コロナ禍で閉鎖している山小屋も多く、行程についてはかなり熟考しました。

師匠は山小屋にはあまり泊まりたくない様子。しかし山小屋に泊まらないとなると、行動時間に若干心配もあるので、便利な秡川コースは避けた方が良さそうでした。結果、最短距離で登ることができる小赤沢ルートにし、麓に宿を探して前泊することに決定。

宿は長野県栄村にある秋山郷、苗場荘を予約しました。

仕事終わりで、まずは軽井沢の師匠の別荘へと向かい、安着祝いです。

Nちゃんにアシストしてもらい、あるものでパパッと料理を作り、久しぶりの再会に乾杯!

翌日がただの移動ということで、ついつい深酒し、楽しい宴が終了したのは1時過ぎでした。


翌朝はゆっくりめに起床。朝ご飯を作り、その後残ったご飯でおにぎり作り。途中志賀高原に寄りながら、宿までのんびり小旅行です。

今回師匠が提案してくださった地獄谷野猿公苑は、温泉に入る猿が見られる有名な場所。

駐車場からしばらく歩くと、いました!!小猿の群れです。めちゃくちゃかわいい ♪

更に奥へ進むと、相当数の猿たちがいました。適度な餌付けを行っている為、人慣れしていて、近くに寄っても怖がることなくマイペース。のんびりしたその姿に癒されます。季節はまだ夏。さすがに温泉に入っている猿は殆どいませんでしたが、十分楽しめました。

駐車場付近の東屋で作ってきたおにぎりを食べ、一路秋山郷へと向かいます。

秋山郷は長野県栄村なのですが、ほぼ新潟県との境にあり、豪雪地帯として有名な津南町から20キロ程南下したところにあります。津南町から国道405号線に入ると、どんどん山深くなっていきます。こんなところに人が住めるのか!?というような、まさに秘境。

ついに着いた秋山郷ですが、本当に何もない山奥の集落です。私達の泊まる宿、苗場荘の看板を見つけたものの、あり得ない程の急坂に驚きを隠せません。雪が降ったらどうするんだろう!?と話しながら(実際は湧水を流して雪を融かしているとのこと)、無事に到着しました。

駐車場からお庭に回り、玄関を目指しますがそのお庭にあった池に、なにやら魚が泳いでいます。これは、もしや、岩魚では…!!??俄然夕食に期待する私達なのでした。

宿に着いてみると、女将さんが現れました。とても優しくて、親切な素敵な方です。

宿に入ると、いきなり巨大な熊の毛皮がお出迎え!

この日宿に泊まるのは私たちだけとのことで、お部屋も一番広いお部屋に変更していただいた為、なんと23畳のお部屋を広々3人で使えることに。

いろいろ説明を伺い、朝ご飯もお弁当に変更していただいて、お風呂は近くの日帰り温泉「楽養館」をお勧めされたので、早速入りに行くことにしました。

温泉と食事処に分かれている楽養館ですが、歴史を感じさせる木造の棟で、天井も高く、なんとも趣深い作り。お湯は鉄分を多く含んだ赤い色で、床も湯殿も赤褐色の湯の花で覆われています。お風呂は完全貸切状態!壁を隔てて天井は一続きの為、声も筒抜けです。

お風呂に入りつつ、肝心なことを突然思い出しました。


翌日のお昼ご飯のことをすっかり忘れていたのです!


山頂にある山小屋は営業中ではありますが、コロナ禍で日帰り登山者は利用できない状況。

男湯の師匠と湯船に浸かりながら話した結果、最悪は優しい女将さんにお願いして作ってもらうことを想定しつつ、集落に1軒あった商店でカップラーメンを買えるのでは?ということになりました。

お風呂帰りに、その唯一のお店に寄ってみますが、鍵がしまっています。呼び鈴を押すと、おじいちゃんが出てきてくれました。

「カップラーメン的なものは置いてますでしょうか?」の問いに「う〜ん。すくないけどねぇ…。」と呟くおじいちゃん。所謂田舎にありがちな、日用品からなにから置いてある小さなお店です。すると、棚の上に数個置いてあるカップラーメンを発見!

なんとか3人分のラーメンはゲットできたので、これで一安心です。

さて、宿に戻りいよいよ夕食!

既にテーブルには立派な夕食が並んでいました。

岩魚の刺身、塩焼きを始めとした全10品という、ものすごい御馳走の数々です!

しかも、熊肉の鍋までついています!!3人とも熊のお肉は初めてということで、興味津々。どれも美味で、地酒「苗場山」と共に舌鼓を打つという最高の宴となりました。

私達が楽しんでいる傍で、女将さんはどうやら、じゃらん担当者と話している様子。


実は、この日の朝、Go Toキャンペーンの件でお電話をくださり、やりとりがありました。

その女将さんのお話では、9月以降じゃらんを通すとGo Toキャンペーン対象になることが決まったそうで、前日にじゃらんから連絡が着たとのこと。私の予約もその対象になるらしい。ということで、ご指示の通り作業を行うべくトライしましたが、当日のキャンセルと申込がシステム上できない状況。ということで、もともと金額も安い宿だからと諦め、正規料金で宿泊することにしました。

その経緯をお話しすると、一度は申し訳なさそうに了承していた女将さんでしたが、その後も「なんとかならないか」と、ずっとじゃらんとの交渉を続けてくださっていたのです。

「そんなにお手間をとらせて、申し訳ないから正規料金で大丈夫ですよ。」と言っても、「でも、せっかく安くなるから」と、何度もやりとりをしてくださった結果、無事に対象料金で決済できることに。本当に、ご親切が心に染み入りました。女将さん、本当にありがとうございます!!


その後お父様が苗場山頂ヒュッテを作られた方だということ、魚沼出身の商人であり、随筆家だった鈴木牧之が泊まった宿だということ等を伺い、歴史のある宿だったこともよくわかりました。

女将さんのお人柄も相俟って、また訪れたいと心から思いつつ、この日の夜は早目に就寝となりました。

翌朝4時起床で、朝ご飯代わりのお弁当を頂き、準備。出発時に起きてきてくださった女将さんに、素晴らしい宿に巡り合えた幸せな気持ちと女将さんへの感謝を込め、お礼を言って宿を後にしました。

前日の夜からしとしと降り続いていた雨は霧雨に変わり、なんとか天気も持ち堪えそうな雰囲気。3合目標高1,310mの地点から、霧に包まれた静謐な森を歩き始めます。

山頂までは比較的緩やかな斜面が続き、高度は徐々に上がっていきます。6合目手前から道は突然、急登に。鎖場が続きますが、危険箇所はありません。急登をやり過ごし、9合目付近で稜線に出ます。そこから一気に景色が一変。湿原が現れます。

一旦トラバースの為、ゴロゴロした岩場を通り抜けると、いよいよ広大な湿原が目の前に現れます。遠くまで見渡せる、まるで草原のような湿原。点在する多くの池塘に青空と雲が映り込み、その美しいことと言ったらありません。まさに神韻縹渺たる景色です。

この景色が苗代田のように見えることから、苗場山となったという説もあるとのこと。豪雪地帯に多い湿原ですが、山頂付近にこれだけ広大な湿原がある山は多くないのではないでしょうか。

山頂まで続く木道をゆるゆる歩くと、霧の中から山頂ヒュッテの三角屋根が見えてきました。私たちを追い抜いてい行ったおじさまグループがベンチで休憩していて、「山頂まで1分ですよ」と教えてくださいました。まさに1分で頂上へ到着。霧が多く、眺望は残念ながらありませんでしたが、この広大な湿原を見られただけで十分。私たちも小屋の前でお昼休憩としました。

午後から天気が悪くなる予報が出ていた為、長居はせず下山開始です。

霧で濡れた岩場に注意しながら、無事鎖場も終了で、あとはゆるゆる下るだけ。師匠が4合目付近にある水場に寄りたいと言うので、水場を探してみると、人工的な水場ではなく、沢でした。しかし、せっかくの苗場山天然水。水筒に満タンにし、夜の宴のチェイサーとすることにしました。

雨に殆ど降られることもなく、予定より少し早めに下山完了となり無事に苗場山登山は終了しました。

そこから須坂経由で軽井沢に戻り、すぐに料理開始。今回の山旅も楽しい宴で締めくくることができました。


いつもながら、快く登山の拠点として別荘を開放してくださる師匠、そしてNちゃん、今回も素晴らしい山旅でした。ありがとうございました!!



【今回の苗場山登山記録】   行動時間 8時間41分(標準タイム 6時間10分)                 ■山行タイム 約7時間49分

                〈登り4時間22分 下り3時間27分〉


5:52 小赤沢登山口

6:30〜6:42 4合目  38(30)

7:13 5合目 31(20)

7:30〜7:35 休憩

8:04  6合目 42(25) 

8:31  7合目 27(15)

9:02  8合目 31(50)   

9:20  平太郎尾根分岐 18

9:24  9合目 24 【42】(30)   

9:47  分岐 23

10:15〜10:50 苗場山(2,145.2m) 28【51】(40)

11:09 分岐 19(20)

11:32 平太郎尾根分岐 23(20)

11:50〜11:55 8合目 18

12:11  7合目 16

12:32〜12:38  6合目 21

13:16 5合目 38

13:51〜13:56 4合目 35

14:33 小赤沢登山口 37【2'45】(2'00)


∴ 百名山記録 37/100   【丹沢山 奥白根山 筑波山 草津白根山 四阿山 浅間山   金峰山 瑞牆山 火打山 妙高山 大菩薩嶺 鳳凰三山  谷川岳  蓼科山  雲取山 八ヶ岳 常念岳 仙丈ヶ岳  甲斐駒ケ岳 赤城山 男体山 岩木山 富士山 美ヶ原 北岳 両神山 鳥海山 霧ヶ峰 那須岳 至仏山 安達太良山 木曽駒ケ岳 御嶽山 会津駒ケ岳 燧ケ岳 五竜岳 苗場山】

(C)Junpei 2020 all rights reserved.