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  • 執筆者の写真junpei

立山

更新日:2022年10月25日




夏に薬師岳へ登った帰り道。せっかくだからと寄った宇奈月温泉でトロッコ電車に乗り、欅平へ訪れた時、黒部ダムに行きたいという思いが更に強くなりました。

そこで、秋の紅葉に合わせて黒部ダムとセットで立山に行こうとNちゃんと約束。

いよいよその日がやってきました。


仕事終わりに新宿からあずさに乗り、信濃大町へ前乗りです。

本来の予定では、初日に黒部ダムを見学し、室堂から一ノ越山荘で宿泊。翌日早朝に小屋を出て、雄山、大汝山、富士ノ折立を経て大走りで雷鳥沢キャンプ場へ降り、みくりが池経由で室堂に戻るコースを選択するつもりでした。

ところが、折りしも寒冷前線が通過するということで天気は大荒れもあるかもしれないという残念な予報。

初日はなんとか天気が持ちそうだった為、急遽予定を変更。

信濃大町から始発のバスで扇沢へ。そしてどこにも寄らず最速で室堂へ入って頂上へ向かい、翌日黒部ダムを見学して帰るという行程です。

あずさの中でプチ前夜祭をしながら相談しあった結果、コースについては、当日の予報や実際の現地の天候を鑑みて直前に決定しようということで落ち着きました。

翌朝始発バスで扇沢、更に電気バス、ケーブルカー、ロープウェイ、トロリーバスとありとあらゆる乗り物を乗り継いで9時にようやく室堂へ到着しました。

室堂平の広々した草原を取り囲むように立山連峰がそびえ立ち、その向こうに剱岳も見えています。紅葉もかなり進んできていて、美しい景色が広がっていました。

まずは名水100選に選ばれている立山玉殿の湧水をたっぷりプラティパスに詰め込み、観天望気でコースを最終判断します。ヤマテンの予報では、午後から大荒れの予報が出ていました。室堂に掲示されていた天気予報はそれほど悪くはありませんでしたが、怪しげな雲が空を覆っていて万全とは言い難い状況。当初の予定を逆ルートで辿るとなると休憩を入れて6時間強の行程の為、小屋到着が15時ギリギリというラインです。ヤマテンの予報だと、午後からはかなり悪天を覚悟しなければならないことから、安全策を取り小屋経由の最短ルートで山頂へ向かうことにしました。





室堂から小屋までは石畳の歩きやすい道が続きます。1時間ほどで一ノ越山荘に到着してみると、かなりの強風が吹き荒れていました。稜線上はこの強風が続くと予想されました。小屋の裏側で風を避け、一旦休憩し、山頂に向けて歩き始めます。かなりの急登の岩場で、足元もガレ場となり本格的な登山道です。混雑時は登山道が渋滞するとの情報もありましたが、平日の為混雑は懸念していた程でもなく一安心。

しかし、お手軽登山ができるこの立山は、初心者がかなりの割合を占めている様子で、基本的なマナーやルールがわからない人も見受けられました。標高が高いせいか、すぐに息があがりますが、山頂直下の雄山神社峰本社社務所に到着しました。天気は辛うじて晴れを保っていますが、爆風が吹き荒れています。雄山山頂はそこから切れ落ちた急階段を上り詰めたところです。狭い階段を登っている途中、その爆風で身動きが取れない状態になりましたが、慎重に慎重に進み、ついに雄山(3,003m)に到着しました。山頂はかなり狭いスペースで、休憩している登山者で満員状態。隣には憧れの剱岳が見えており、その向こう側に後立山の峰々が続いています。黒部峡谷を挟んだ向こう側には、五色ヶ原、この前登った薬師岳。槍の穂先も一時は見えていました。天気があまり良くないと思っていた為、これだけの景色が見られて本当に良かった!!






さて、本当なら富士ノ折立まで行ってピストンしようと思っていましたが、雄山から先も完全に何も隠れるところがない稜線上。体が吹き飛ばされそうになる位の爆風の中、これ以上先に進むのは危険なのではないかという気持ちがもたげてきました。次々やってくる登山者の為、山頂には数分間の滞在で、社務所までとりあえず戻ります。風に煽られて滑落するのではないかと思うような恐怖感の中、狭い階段を降りると、このまま小屋に戻った方が良いかもしれないと思いました。Nちゃんと話し合い、即決で小屋に降りることに決定。そうと決まれば社務所前でゆっくりご飯を食べようということになりました。

それにしてもものすごい風です。のんびり寛ぐという雰囲気でもなくなってきた為、見納めに山の方位盤と照らし合わせながら山座同定をしますが、とにかく爆風が吹き荒び立っていられない程で、恐怖感がじわじわ増してきました。とにかく早く安全なところまで降りたい!の一心で下山開始。途中も強風でよろめきながら、転ばないようにすることで必死。なんとか一ノ越山荘まで降りて来ました。

風さえなければもう少し山歩きを楽しみたいところでしたが、この風は強すぎる!!この後どんどん天候は悪化することは確実なので、今回はここまでで登山終了です。

手続きを済ませ部屋に入ってみると、思った通り二人だけで広々お部屋を使うことができ、とても綺麗。お手洗いも水洗で、旅館と変わらないクオリティに本当にありがたさを感じました。荷物整理を終え、食堂で安着祝いをしているうちに、雲行きは怪しさを増す一方。夕食を終え、20時近くなるとついに雨が叩きつけるように降って来ました。翌朝はたとえ土砂降りだとしても、室堂まではわずか1時間の道のり。しかも石畳を下山するだけなので気持ちも大分楽です。暴風雨の音に苛まれつつもぐっすり眠り、早朝に目が覚めました。どうやら寒冷前線は過ぎ去ったようで、雨音はしません。5時半頃起き上がって外の様子を見てみると、霧が立ち込めているだけで、雨は心配なさそうでした。

ゆっくりと朝食を頂き、7時に小屋を出発。

雨具を着用することもなく、普通に歩けることがいかに幸せかということが本当に身に染みます。室堂まであと半分というくらいのところまで来た頃でした。周囲から、グワーという声が。弾かれたように顔を上げ、立ち止まります。間違いありません。雷鳥の声です!

周囲をキョロキョロ見渡しますが、方々から声が聞こえるのにも関わらず、全く姿が見えません。すると、1羽の雷鳥が飛び立ち、少し離れたところまで飛んで行きました。羽から下が真っ白です。「雷鳥だ!!」と思わず声を上げます。でも、結局姿を見たのはその1羽だけで、あとはわからず仕舞いでした。

ひっそりとした室堂に到着し、来年こそ、剱岳に登りにまたここへ来るぞ!!と誓いを立て、美しい立山を後にしました。





その後黒部ダムでゆっくり見学し、扇沢を経て長野駅へと到着。隣同士の席を予約したはずの新幹線では一騒動ありましたが(笑)、無事にプチ打ち上げをしつつあっという間に楽しかった山旅は終了となりました。

今回も、楽しい山旅となりました。Nちゃん、ありがとうございました!来年の剱岳を目標にお互い精進しましょう!






【今回の立山登山記録】  


 初日行動時間 5時間25分(標準タイム 4時間半)

 ■山行タイム 4時間16分


7:26 大弛峠

 10:14〜10:20 一ノ越山荘 56(60)

 11:10~12:11 立山(雄山)山頂 50(1'10)

 12:53 一ノ越山荘 52(50)


 二日目行動時間 43分(標準タイム 50分)


 6:58 一ノ越山荘

7:43 室堂

 

∴ 百名山記録 45/100   【丹沢山 奥白根山 筑波山 草津白根山 四阿山 浅間山   金峰山 瑞牆山 火打山 妙高山 大菩薩嶺 鳳凰三山  谷川岳  蓼科山  雲取山 八ヶ岳 常念岳 仙丈ヶ岳  甲斐駒ケ岳 赤城山 男体山 岩木山 富士山 美ヶ原 北岳 両神山 鳥海山 霧ヶ峰 那須岳 至仏山 安達太良山 木曽駒ケ岳 御嶽山 会津駒ケ岳 燧ケ岳 五竜岳 苗場山 平ヶ岳 間ノ岳 鷲羽岳 磐梯山 西吾妻山 薬師岳 乗鞍岳

立山】



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