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  • 執筆者の写真junpei

クレイジーマウンテン〜二子山〜



先生の言う事も聞かず、勝手に登山開始しちゃっている私ですが、ついにこの日 がやってきました。 去年の私では、絶対に登ろうなんて思わなかった二子山。 以前から、youtubeやブログ等、行くにあたってかなり事前学習はしていました が、この山、本当にヤバイ山です。 どうヤバイのか。 二子山は、その名の通り西岳、東岳というふたつの峰から成る1,200m程の低山 です。 しかし、低山と侮る事なかれ! 巷ではクレイジーマウンテンとか秩父のジャンダルムとか言われているような かなり難易度の高い岩山なのです。 ほぼ垂直としか思えない斜度70〜80程の岩壁をおよそ200m弱攀じ上り、 西岳東峰から中央峰、更に西峰まではゴジラの背中のようなギザギザで両側の 切れ落ちたナイフリッジの岩稜帯が続く西岳。そして西岳よりは若干低いながら も、危険なポイントが数カ所ある東岳。そんな危険な山なのに、鎖はほぼ無し。 当然滑落する人もいるということで、スタート地点の股峠には、不安を煽る 看板がいくつも付けられています。 1/50,000の地図を見ても、登山道の殆どが所謂「破線」ルート。 まさにクレイジーという称号にふさわしい山と言えるでしょう。 そんなヤバヤバの山を登る。しかも、今回は上級者コース。 ほんとに大丈夫なのか!!?? 自分でも不安だし、連れて行ってくださるKさんからも若干心配されている…。 上半身鍛えろって言ったって、そんなに急に筋肉なんて付かないし。 でも、やっぱり行ってみたい!! そんな期待と不安が入り交じった状態で当日を迎えました。 前日の雨で、登山道はかなりぬかるんでおり、前途多難な雰囲気。 股峠の恐ろしい脅しの看板を見つつ、まずは西岳上級者コースへと向かいます。 いきなりの急登が始まり、眼前についに壁が現れました。いよいよクライミング 開始です。石灰岩で穴がそこここに空いていて、ホールドはかなりある為、かな り安心感はあるものの、完全に切れ落ちており、かなりの高度感! Kさんの指示を仰ぎながら、三点支持で着実に登って行きます。途中足場が少な い箇所ではKさんが上からザックを引っ張り支えてもらったりしつつ、何とか テラスまでやってきました。Kさん1人ならなんて事のない岩場だと思いますが へなちょこな私がいることで、Kさんの精神的な負担はかなりあったと思われ、 それを裏付けるかの如く、テラスまで来た時に 「相当危険なことやってる気がするなぁ。」とボソッと一言。 確かに、上からザックを引っ張り上げてくれたところで、何かあれば絶対片手で 支える事なんてムリだし、その時点で「さよーならーーーー!!!」と 滑落するだけのこと。 まぁ。万一死んじゃったらそれはそのときです。それが私の運命。 下を覗き込むとおそらく相当の恐怖を感じるだろうと思い、なるべく下は見ず、 目の前の岩と行き先だけを見て、「ゆっくり確実に!」と小さな声で自らを鼓舞 しつつ、Kさんに必死でついていきます。 まだまだ続くかと思われた矢先、どうやら絶壁エリアは終了! 最大の核心部はこれで無事に終わりました!! が、しかし、まだまだ気は抜けません。 かなり長い距離、ナイフリッジ状の狭い稜線歩きが続きます。 両側は見事に切れ落ちており、高度感もかなりあります。しかも、稜線に出た途 端ものすごい強風が吹き荒れていました。風で吹き飛ばされそうで、かなりの恐 怖を感じます。低い姿勢でなるべく周囲の岩を掴んで歩きつつ、ようやく西岳中 央峰(1165.8m)へ到着。 眺望は360度の絶景!目の前にはギザギザの両神山。左手にはおそらく奥多摩方 面の山々が連なり、更に目をやると筑波山も見えていました。 ゆっくり景色を楽しみたいところですが、かなりの強風であっという間に体温も 奪われていきそうなので、更に続くナイフリッジを西峰へと急ぎます。 西峰からは、最後の難所である鎖場をクリア。普通の登山道を股峠に向かって 下りて行きます。途中、クライミングポイントが現れ、下から上を仰ぎ見ると、 オーバーハング気味の岩場が数十m続いています。 やはりKさんが黙っていられる訳も無く。ご多分に漏れず、ハイ、行っちゃいま した(笑) 数m先までひょいひょい登って行き、途中で断念(装備もないし、当然ですが) し、「どうやって下りるんだ!??」と言いながらもご帰還。狂人の行動です。 しかし、クライマーが狂人なら、今回こんな危険な山に登ろうという私達も十分 狂人の域であろうことは間違いないのですが(笑) さて、股峠に戻って来たので、ささっと昼食を済ませ東岳へと向かいます。 雨でぬかるんでいる道は、かなりの急登で、岩場よりも危険を感じる程。ストッ クを頼りに岩場の取り付きまで進みます。 さて、いよいよやってきた岩稜帯。手がかりを確かめ、着実に登って行きますが いきなり難所にやってきました。 実はこのポイント、昨年KさんとNさん二人が挑戦した際に、Nさんが「ムリです 」と弱音を吐いたポイントなんだとか。 進行方向右手にトラバースした岩に鎖が付けられ、下は勿論切れ落ちています。 しかし、このトラバース、岩がちょうど胸から上あたりの部分で盛り上がってい て、若干オーバーハング気味。よって行く手の岩が掴みづらく、バランスも崩し やすい状態です。オーバーハングした岩を抱きかかえる感じで左手を伸ばし、 丁度コーナーの部分に付けられた金属プレートを足場に回り込むしかないようで す。このちいさな10センチ四方大のプレートに左足を乗せ、体重移動させながら 今度は右足にチェンジしつつプレートを踏みます。 この、プレート上での足チェンジ、以前からKさんが話していたポイントでした。 なんとNさんは、足チェンジ無しに何とかクリアしたらしいのですが、私やKさん の見解では、あそこでチェンジしないと相当難しいのでは…ということ。 Nさんは一体どうやってあの難所をクリアしたのでしょう?? さて、その難所もKさんにザックを引っ張ってもらいつつ、なんとかクリアし、 次へ。 もうないかと思いきや、もう一カ所、離れた場所にある足場の岩以外、完全に切 れ落ちたポイントを緊張しながらもクリア。 またも狭い稜線を歩きながら、東岳へ到着しました!めでたいながらも、岩場は 下りの方が圧倒的に難しい。ここで気を緩める事無く、気合いを入れ直して下山 開始です。 最後の難所、足チェンジポイントは、相当危うく、Kさんがザックを引っ張って いてくれたから事無きを得たものの、最後に残したプレート上の左足は最終的に は瞬間的に滑って足が外れた状態でした。あーーーー危なかった!!!! しかし、最後の最後にやってしまいました…。 股峠から駐車場までの最悪の道で、転倒したのです。 足場はぐにゃぐにゃで非常に滑りやすく、何度も転びそうになりながら下りて 行ってはいたのですが、なんと怪我をしている方の足が、あらぬ方向へ滑り、踏 ん張ろうとして更にまずい状態になってものすごい激痛が…!! 堪らず、そのままどろんこの中に倒れ込みました。暫くは足が痛過ぎて起き上が れませんでしたが、何とか大事には至らず、事無きを得ました。やれやれ…!! 昨年の今頃は、長い垂直の鎖場がある乾徳山が精一杯で、二子山なんてキチガイ が登る山だと思っていましたが、今となってはその山に登ってしまった私がいま す。何だか、信じられません。 しかし、この聞きしに勝る「クレイジーマウンテン二子山」に登る事ができたの も、始終Kさんが励まし、サポートしてくださった御陰です。 おそらくKさんがいなければ、この山を制覇する事はできなかったと思います。 本当にKさん、ありがとうございました!! とにもかくにも、達成感で満ち足りた今回の山行でした…!!!


※↑参考に…!! 【今回の二子山登山記録】   行動時間 4時間50分(標準タイム  3時間20分)  8:13 股峠 9:35 西岳(1165.8m) 1’17(40) 11:18〜36 股峠 1’38(1’30) 12:10〜23 東岳 〈34〉   13:03 股峠 〈40〉1’14(1’10) ∴ 百名山記録 19/100   【丹沢山 奥白根山 筑波山 草津白根山 四阿山 浅間山    金峰山 瑞牆山 火打山 妙高山 大菩薩嶺 鳳凰三山    谷川岳  蓼科山  雲取山 八ヶ岳 常念岳 仙丈ヶ岳 甲斐駒ケ岳】


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