top of page
  • 執筆者の写真junpei

三頭山



以前から奥多摩三山のひとつとして、行ってみたい山のひとつだった三頭山。 去年Nちゃんと二人で行った大岳山、今年1人で行った御前山と2/3を制覇し、あとは三頭山だけ。 という状況でしたが、この山は奥多摩でもかなり西に位置していて、ほぼ山梨県との県境。 バス利用で入山するにはちょっと時間がかかりすぎるということもあり、敬遠していた山でした。 そんなある日、とある呑み会で山の話になった際、登山からはどちらかというと遠いイメージのTさん から「行ってみたい」と、明らかに社交辞令ではないと思われるリクエストを頂いた為、ならば「三 頭山」で企画してみようか?と思い立ちました。 最終的なメンバーは、山岳信仰の話からえらく盛り上がって以来、今となっては歳の離れたお友達且 つ哲学・宗教の師(と勝手に私が思っている)であるYさん、最近登山の魅力にハマりつつあるO嬢も 交えちょっと面白い取り合わせとなった4名での山行となりました。 もともと宗教学的な見地から山に行った事が何回もあるというYさんと、大学時代は相撲部で普段から も体を鍛えているTさんは問題ないとして、まだ大岳山に1回しか行った事の無いO嬢が、果たしてど こまで耐え得るか?というところが一番懸念されるところではあったのですが、前回の大岳山でほぼ 標準タイムで歩き切った彼女の事。 持ち前の根性できっと頑張ってくれるだろうとの願いも込め、敢えて厳しいルートでの計画となりま した。 今回選んだルートのヌカザス尾根〜オツネの泣坂は、奥多摩三大急登のひとつとも言われており、是 非ともその急登を体験してみたくてちょっとワクワク。昔だったら、急登と聞いただけで恐れをなし ていたのに、今となっては完全に頭がオカシイ「山バカ」に成り果ててしまいました(笑) さて、台風の影響が懸念され、出張先の小倉から東京へ戻ってくる事すら危ぶまれていた不安定な天 候でしたが、なんとかその危険も回避でき、前日夕方ギリギリに決行することになったこの登山。 出張から帰宅し、バタバタの状況で早朝4:45Tさんに拾ってもらい、拝島でO嬢をピックアップして奥 多摩湖へ。 そもそも私のリサーチ不足で、小河内神社からの浮橋が不通になっていることを直前に知るというお 粗末さで、当初の予定より奥の三頭橋付近の駐車場からモロクボ尾根ピストンで急遽三頭山へ向かう ことになっていたのですが、その駐車場へ入る為のゲートがなんと8時以降にしか開かないとのこ と。 既に到着していたYさんに付いて、深山橋手前の駐車場にとりあえず駐車し、登山開始となりました。 しかし、駐車場脇にあるはずの登山道入口が見当たらず、結局当初の予定であるヌカザス尾根へ続く 登山道入口から入山することとなりました。 さすが人があまり入っていない様子で、いきなりジャングルのような雑草をかき分け、登山道へと 入って行きます。 しかも、奥多摩の山々にはよくありがちな、いきなりの急登! 歩き始めにこの急登はかなりのキツさ。すると、歩き始めて数十分、どうやらO嬢の様子がおかしい 模様。ふらふらして相当ばてているようです。 栄養補給ゼリーを飲んでもらい、途中軽く休憩を入れながら急登を登って行きます。 「大岳山とは全然違う!!ヤバイ!!」と、相当な危機感を感じ、最悪途中断念してみんなを待つ か?!等、いろんな思いを巡らせつつ歩いていたというO嬢!しかし、さすが持ち前の頑張りで、 しっかりと私についてきていました。 まずは一番最初の山、イヨ山へ到着。ここまで約400mの急登で、ヌカザス山までは尾根歩きなので 多少のアップダウンはあっても然程の急登はありません。途中美しいブナの林に癒されつつ、いよい よヌカザス山に到着です。ここから入小沢ノ峰までは直線距離でだいたい500m程なのですが、標高 差は約200mもありそれだけ急登だということ。 いよいよロープ等も張られたオツネノ泣坂へと入ってきました。下から見上げてもかなりの急登で、 さすがにキツイ!! 入小沢ノ峰の標識を見たときは、かなりホッとしました。そこから尾根伝いにポコポコとコブを越 え、いよいよ三頭山(1531m)に到着!!しかし、奥多摩のような低山には結構ありがちなパターン で、三頭山中央峰にはほぼ眺望はなく、一旦コルに下りて西峰へと移動。こちらからは本来富士山が 見えるはずなのですが、残念ながら曇りで見えず仕舞い。雲取山はガスに包まれていましたが、鷹ノ 巣山、六ツ石山、川苔山方面は良く見えていました。 雨が降ってこないうちに、ちゃちゃっとお昼を食べて早速下山開始です。 予想していた通り、オツネノ泣坂の下りは相当恐ろしく、ズルズルと半ば滑りつつ下りるという有様 で、みんなヒーヒー言いながら下って行きます。 ようやくヌカザス山の分岐まで下りて来て、もうひとつのルート、ムロクボ尾根へと下りて行きま す。 1/25,000で見たところ、途中かなり等高線の込み入った部分もありながら、尾根伝いの道で、ヌカザ ス尾根よりは多少ましに思えました。しかし、分岐から下を覗いてみると、今下りて来た尾根と同じ くらいのかなりの急坂です。 「えっ!?ここ…?」と、内心戸惑いつつ、またあまりメジャーとは言えない登山道なので道迷いし ないかどうかも心配しながらの下山となりました。 下ってみると、これがかなりの急坂!!ロープ伝いに下りないとかなり危ない感じの険しさです。 ふと見ると、脇にサビサビの「オツネノ泣坂」という標識を発見。 あれっ!!??こっちがホンモノのオツネノ泣坂か…!?? いずれにしても、オツネさんが泣くくらいキツイ坂という意味か??…と思ったら、 こんな逸話があるそうで。 つね泣き峠の伝説 東京都奥多摩三頭山 その昔、いまの奥多摩町川野地区(奥多摩湖近く)杉田重長の川野城にオツネという美女が働いていたという。 ある時、村の寺浄光院に美男僧がやって来ました。オツネはその僧・香蘭といつか深い仲に。毎晩忍び逢いが続きます。 修行のジャマになることを心配した住職は、香蘭を山梨県上野原町西原の寛珠院というお寺に移しました。 しかしオツネは香蘭が忘れられず、ある夜西原に訪ねて行きました。香蘭との短い時間の逢う瀬を終え、急いで帰りますが 三頭山を過ぎたあたりの坂に差しかかると東の空が明けてきます。 お屋敷の旦那さまに知られたらどんなお叱りを受けるか分かりません。「ああ、夜が明けてしまう。どうしよう」。 オツネは泣きながら坂を駆け下ります。村人はオツネに同情し哀れみました。 こうしてついた地名がオツネの泣き坂。 「遠く、遠くながれる明けの鐘しのび通いのはかなさに、祈る峠の地蔵さま、香蘭、香蘭、月を呼ぶよなツネなき峠…」。 奥多摩地方に伝わる歌「ツネなき峠」の一節です。 https://www.youtube.com/watch?v=TsJa5XZheBk そんなヤバヤバの坂をなんとかやり過ごし、進んで行くと登山道の木を伐採中らしく、かなり人の手 が入った様子が伺えます。道も歩きやすく、こちらの道もなかなか良い雰囲気。 途中から下界の奥多摩湖もチラチラと見え始め、ようやく三頭橋へ到着!! なんと橋を渡ったすぐ脇に登山口があり、これは絶対気付かないなぁ…。という地味な入口でした。 でも、結果的には予定通りヌカザス尾根を歩くこともでき、15時には下山でき、計画的にもバッチリ な山行。 しかも駐車場へ着くと、予報通りパラパラと雨が…。我々の登山、何か神がかってます! しかし、このルートなかなか歩きがいのある登山道で、中級より上のランクのルートと言っても良い のではないでしょうか?? しかも、きちんと記録を見てみると、休憩時間を抜かせば、ほぼ標準タイムか、巻いている部分もか なりあり、みんな相当のツワモノだということがわかりました(笑) 特にヤバイと言いつつも、しっかり私についてかなり早いペースで歩ききったO嬢の頑張りには、み んな心から称賛!! そして初登山なのに余裕ありありで下山してきたTさん、さすがです。 また、途中読図など、私の不安をしっかり払拭して下さったYさん、へなちょこリーダーを支えて下さ り大変心強く、有り難かったです。 皆様のおかげで今回も素敵な山行となりました。ありがとうございました!! 是非また山に癒されに行きましょう。 【今回の三頭山登山記録】   行動時間 7時間15分(標準タイム  6時間40分)     7:45 深山橋駐車場 8:08  登山道入口 9:06 〜16 イヨ山  59(1’10) 10:10 〜20 ヌカザス山 53(60) 10:49〜11:00 入小沢ノ峰 29 11:18 鶴峠分岐 58(50)   11:51 三頭山中央峰(1,531m) 33(35) 12:00〜12:35 三頭山西峰    13:08 入小沢ノ峰    13:31〜40 ヌカザス山 56(55)   14:55 モロクボ尾根登山口  15:00 深山橋駐車場 1’20(1’40) ∴ 百名山記録 19/100   【丹沢山 奥白根山 筑波山 草津白根山 四阿山 浅間山    金峰山 瑞牆山 火打山 妙高山 大菩薩嶺 鳳凰三山    谷川岳  蓼科山  雲取山 八ヶ岳 常念岳 仙丈ヶ岳 甲斐駒ケ岳】


閲覧数:11回0件のコメント

最新記事

すべて表示
bottom of page