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  • 執筆者の写真junpei

記念すべき初ツエルト泊!!〜鷹ノ巣山避難小屋〜



だんだん春めいてきたこの頃。

Nちゃんとツエルト泊に挑戦する日が、いよいよやってきました。

今回は初ツエルト泊ということで、有事の際に逃げ込める避難小屋が付近にあることが第一条件です。そこで、最初に設定したのは御前山。避難小屋もあり、登山自体がそれほど過酷にはならないというのが設定の理由です。

しかし、当初予定していた日の前日、東京では冷たい雨、途中雪が降りだすという悪天となりました。当然標高の高い山では積雪の予報。しかも翌日は大気不安定とのことで、急遽計画は中止。結果として雲取山では25センチの積雪という、この時期にしてはかなりの大雪となりました。

さて、時間も出来たことなので、再度御前山避難小屋周辺の情報を検索。ツエルトを張れそうな場所があるかどうかををもう一度調べてみると、小屋周辺には広い平地がなさそうで、山頂に張るしかなさそうでした。更に水場の水質に少々問題があるとの情報が。ソーヤーミニという半永久で使える浄水装置を持参すれば問題はありませんが、ツエルトを張ることを想定すると、あまり適した場所ではないだろうと判断し、もう一度場所の選定をし直すことにしました。

避難小屋が付近にある場所となると、三頭山か、鷹ノ巣山。

三頭山は、コースを選べば然程大変な山ではありません。また、去年途中で断念した笹尾根をつないで三頭山に泊まるというのもありだな。と考えました。しかし、この避難小屋も周辺に広い平地がなさそうです。鷹ノ巣山は、ツエルトを張れるくらいの広い平地があるので場所としては最適でしたが、懸念されるのはどこのルートを取ってもきつい登山となること。標高が1,736.6mとなかなかの高山で、アクセスも悪く、相当の標高差の急登を覚悟しなければなりません。

二人で、相当迷いに迷った挙句、最終的には鷹ノ巣山避難小屋に決定しました。


1週間予定を延期し、奥多摩からバスに乗って峰谷へ。鷹ノ巣山最短ルートはここしかない為、そこそこの人が終点まで乗車していました。

しかし、最短とは言え小屋までの単純標高差はほぼ1,000m。急登は免れない為とにかくゆっくりでいいから完登することだけが目標です。乗車していた登山者が全員スタートした後で、私たちはゆっくり登山開始となりました。長く続く林道から登山口への上り口のところで道迷いし、暫く時間をロスしましたが、無事に登山道へ。やれやれのスタートです。

登り始めは等高線の混んだ急登が延々と続きます。ウルトラライトザックにしている為、前回よりは多少ましですが、おそらく15,6キロはあったと思われるザックの重みは、如実に歩行の速度に反映され、ゆっくりしか歩けません。途中何度も立ち止まって息をつき、お尻の筋肉に溜まる疲労に辟易しながら徐々に高度を上げていきます。途中何の目標物もなく、地形図で大体の場所を特定しながらほぼ終わりがわかり始めた頃、相当疲労困憊だった私のザックをNちゃんが交換してくれて、ようやく水場までやってきました!

水場はほとんどチョロチョロしか水が出ていなかった為、とりあえずプラティパスを設置して、避難小屋に一度荷物をデポすることにしました。手持ちのコードでなんとか水が入るように設置した後、避難小屋付近の平地へと到着です!!

まだちらほらと登山者が散見されることから、ツエルトを張るのは躊躇される為、とりあえず水を汲み、お昼を食べようということになりました。

水場に戻ってみると、あんなにチョロチョロだったにも関わらず、2ℓのプラティパスはほぼ満タンになっていました。次にNちゃんのプラティパスにも水を詰め、一旦戻ってお昼ご飯です。Nちゃんが覗いたところ、小屋にはおじさんが2人程いたらしく、もしかすると宿泊するつもりの人かもしれません。夜中は雨が降る予報の為、最悪小屋に逃げ込むことを考えると、できれば誰もいてほしくないところですが、こればかりは仕方がありません。

お昼を食べ、さてどうしようと考えましたが、午後に入りここを通る人は殆どいないだろうということで、早速ツエルトを立てることにしました。

ちょうど支柱に良さそうな木を使い、設営していきます。グランドシート代わりの建材用シート(タイベックスシート)を支柱を真ん中にしてスクエアに置きます。次にツエルトを広げて四隅をペグダウン。頂点のループにエバンスノットでコードを結び、支柱にした木に巻きつけていきます。結びは、強力にコードを張りたい為トラッカーズヒッチにしました。面白いようにバチバチにテンションをかけることが出来ます。張ったコードを最後はトートラインヒッチ(自在結び)で処理。反対側の頂点は、付属の自在付きコードを使ってペグダウン。最後にサイドリフターにトートラインヒッチを使ってペグダウンし、ツエルトは見事に立ち上がりました!!

毎晩you tubeを見ながらロープワークの練習をした甲斐がありました!!初めてにしては上出来の設営です。

Nちゃんも試行錯誤しながら設営完了!素晴らしい!!


夕方が近づいてきた為、私はソロストーブに火を入れることにしました。前回は直前の雨で木が湿っていて火を起こすことが難しかった為、今回は大丈夫だろうと思っていましたが、やはりイマイチ火が持続しませんでした。

さて、食事の準備に取り掛かろうと、まずは大量のお湯をわかしてもらうべくNちゃんにお願いしますが、なんと途中で火が消えました。どうやらガスの量が少なかった様子。

予備缶持参をお願いすることも失念し、今回は完全にガスをNちゃん頼みにしていた為、私が持ってきた燃料は固形燃料が3つだけ。しくじった…。私もガスを持ってくるべきだったと後悔したところで後の祭りです。

予想外に、なかなかのサバイバルになってきてしまいました(笑)

食べるものはおつまみやらなにやらがあるのでなんとかなるにしても、やはりこのままひもじく夜を過ごすのは、惨めすぎる…。となれば、なんとかしてこのソロストーブで火をおこし、煮炊きするより他はありません。まだ残りがありそうだったNちゃんのガス缶は、仕方なく翌日用に残すことにし、意地でも火を焚いてやる!!と3度目に勢いよく燃え上がった火を絶やすことなく、火の番をしながらNちゃんに炊事の指示を送るというとんでもない事態になりました。外はかなり寒くなってきていたので、Nちゃんにはとりあえず私のツエルトに入ってもらい、食材を切ったりする作業を任せました。

「まずは固形燃料でメスティンを使って米を焚いて」

「フライパンにオリーブオイル、まずはベーコンだけ入れて」

「次野菜ちょうだい」

「ネギ!」

「もちを敷いてチーズ、ケチャップ、ネギを乗せて」

と、次々指示していきますが、なんせ火の調子があまり良くなくて、枯葉を入れたり、小枝を入れたりしながら調理していくのでNちゃんを構ってあげられない状態。しまいには、地べたに完全にお尻をつき、ものすごい状態で調理せざるを得ない状況に陥りました。

炊飯については、ツエルト内で調理したせいもあって、いつもより熱効率が良かったらしく、焦げてしまいました。余裕がなく、判断をきちんとできなかったので、普段なら2個使用する固形燃料も、ちょっと量が多かったようです。それ以外のナスとピーマンとベーコンの炒め物、もちピザ、コンビーフ入りマッシュポテトがなんとかできあり、夕食にありつくことができました。私は長時間外にいたせいでかなり体が冷えて疲労困憊でしたが、この状況下にしては上出来の夕食を食べ、残雪に突っ込んでキンキンに冷やしたビールを飲んだら少し元気が出てきました。

本当は、家で調味後に乾燥させたこんにゃくを使って、燻製を作る予定でしたが、火を熾すのに相当エネルギーを使う為、これ以上のソロストーブ使用は断念。ホットウイスキーで体を温め、二次会突入となりました。

思わぬ事態で夜も更け、21時過ぎにはお開きにしましたが、予報は好転し、外は満天の星空が広がっていました。歯を磨きながら、天文部だった私のプチ星空講座。

西の空には沈みかけたオリオン座。そのオリオン座の肩の位置にある変光星、ベテルギウスを見つめました。このベテルギウス。近頃例にない程暗くなっているので、いよいよ超新星爆発を起こすのではないかと言われています。もし爆発したとしたら、昼間でも光を放つほどの明るさになると言われていて、最近話題の星なのです。でも、ベテルギウスは642.5光年。今頃既に爆発しているのかもしれません。生きている間に見てみたいけどなぁ…。などと星に思いを馳せながら、この日は就寝となりました。


完全防寒で臨んだ装備のおかげで、寒さは然程感じることもなく夜をやり過ごすことが出来ました。途中聞いた人の足音や、動物っぽい気配は多少怖かったものの、雨もサーっと降ったくらいで済み、懸念していた結露も皆無。設営したツエルトが倒れることもなく、無事に朝を迎えることが出来ました。

しかしNちゃんは寒さで殆ど寝られなかった様子。この時期のツエルト泊を楽しむ余裕は無さそうで、申し訳ない気持ちになりました。

さて、朝食は昨夜失敗したご飯を使って雑炊にします。残り少ないガスを使って、家で作成してきた干し野菜(えのき、しめじ、白菜、三つ葉)とささみを入れ、最後にチーズと卵を投入してできあがり!!これが、めちゃくちゃおいしくできました。

その後撤収作業に入り、8時前に避難小屋を後にしました。天候はあまり良くなく、ガスはかなり立ち込めています。まずは鷹ノ巣山へ登頂。久しぶりの鷹ノ巣山ですが、残念ながら全く眺望はない為、滞在時間わずか5分、石尾根で下山開始です。

眺望はないものの、この石尾根の広々開けた雰囲気はなかなか素敵です。水根山、城山を経て、ようやく六ツ石山へ到着。ここで休憩を取り、水根バス停まで一気に高度を下げます。地形図を見てみると、相当急坂なのがわかります。そういえば、奥多摩三大急登に入れる人もいたなぁ。と思い出しました。

大概奥多摩三大急登というと、鷹ノ巣山へ向かう稲村岩尾根、本仁田山へ向かう大休場尾根、三頭山のヌカザス尾根の3つ。どれも負けず劣らずの尾根でしたが、この水根から六ツ石山の直登ルートは初めてなので、興味津々です。

トオノクボでハンノ木尾根との分岐を分ける頃から、突如道は急坂になります。この急坂、なかなかの険しさです。登りじゃなくてほんとに良かったと思う程。ついに雪まで降ってきました。やがて下山までの中間地点くらいにある祠を過ぎ、ひたすら急坂を下り続けると、林道が見えてきました!!

Nちゃんは途中でこけたらしく、相当疲労困憊の様子で、下山完了。

「大丈夫?」との言葉に、珍しく「大丈夫じゃないです」との返事で、色々無理させてしまったようで、申し訳ない気持ちになってしまいました。

ようやくバス停にもたどり着き、20分ほど待つだけでバスも到着することがわかったので、身支度をしながら今回の初ツエルト泊を振り返り、よくやったとたたえ合いました。

その後立川でプチ打ち上げをし、帰路につきました。

今回は、色々ハプニングもありながら、なんとか無事に行ってこられて本当に良かったです。Nちゃんには、ちょっと過酷すぎる内容だったかもしれませんが、どうぞこれに懲りずまたお付き合い願います!!

私も火熾しや荷物の厳選等、考えるべき課題は山積しています。今回の経験を元に、また一から精進したいと思います。




【今回の鷹ノ巣山〜六ツ石山の登山記録】


初日行動時間 3時間55分(標準タイム 4時間45分)


8:40 峰谷バス停

10:30 浅間神社  2'10(2'37)

12:20〜12:32 水場 

12:35 鷹ノ巣山避難小屋 1'53(2'08)



2日目行動時間 4時間2分(標準タイム 3時間50分)


7:51 鷹ノ巣山避難小屋

8:19〜8:25 鷹ノ巣山(1736.6m) 30(35)

8:40 水根山 31(30)

9:06 城山 26

10:04〜10:20 六ツ石山 1'02【1'24】(1'00)

11:53 下山口 1'33(1'10)



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