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  • 執筆者の写真junpei

常念岳



赤岳・阿弥陀岳登山から1週間。 今度はいよいよ北アルプス常念岳に挑戦です。 今回の山行はいつものKさんに加え、Kさんからご紹介頂いたNさん。 なんとNさんのご好意で安曇野のゲストハウスに前泊させて頂けるということで、距離的には遠い 北アルプスに安心して挑戦できることになりました。 さて、今回初日は移動のみということで、お昼過ぎにKさんにピックアップして頂き一路安曇野へ と向かいます。途中岡谷JCTで道を間違えるというアクシデントもありつつ、無事に安曇野へ到着 し、Nさんとご対面。初対面でも全く壁を感じさせないほわっとしたオーラをお持ちのNさんが先 導し、近くのスーパーでまず買い出しに行き、その後いよいよお宅へ伺います。 このゲストハウス、Nさんの御親戚のお宅に隣接して建っていて、ヨーロッパの香り漂うとても素敵 な外観。中は所謂ログハウスで、奥には暖炉も。 こんな素敵なおうちに泊めさせて頂くなんて、本当に贅沢!テンションも上がります。 温泉から帰って来た後は、私が食事当番なのでかなり急ぎ目で料理を作っていきました。 和風ポトフ、きゅうりとジャガイモの炒め物、トマトと卵の中華風炒め、即席漬け、ナスとピーマ ンの味噌炒め、インゲンのソテー、しょうがご飯…と、私の中ではかなり定番の料理ばかりですが Kさんにもお手伝いして頂きながらなんとか1時間程で作り、親戚の方々も交えて宴が開かれまし た。 皆さん素敵な方ばかりで、色々なお話で盛り上がりました。 特に興味深かったのは、敷地内の畑で実際に蚕を育てまゆを収穫、糸を紡ぎ、染色し更に機を織って いらっしゃる奥様のお話。 最終的に出来上がったストールのなんと素敵なこと!!まるで志村ふくみさんのようでした…! 楽しい夜はあっという間に更けていき、12時頃に就寝。 翌朝、晩の残りご飯とお味噌汁、サラダで朝食を終え、8時に一ノ沢登山口へ出発です。 30分程であっという間に登山口手前の駐車場へ到着。20分程林道を歩き、いよいよ常念小屋 (2,456m)へ向けて出発しました。 途中胸突八丁付近まではダラダラの登り坂ですが、最後の水場を越えると、等高線の目が詰まってい る為かなり急登だろうと予想、単純標高差でも小屋まで1200mなので、なかなかの行程です。 しかし、いざ歩いてみると危険個所も少なく、比較的歩きやすい道が続いています。北アルプスとは いえ、常念岳は比較的易しい山なのかもしれません。 順調に樹林帯を進んでいきますが、しんがりから歩いてくるNさん、久々の登山とのことで少々お疲 れのご様子。暫しNさんを待ちながら歩きます。 途中めぼしいチェックポイントもなく、本来ポイントであるはずの王滝ベンチはよくわからないま ま、途中で一旦休憩を入れ、ようやく出てきたポイントである笠原沢の出合でお昼ご飯を食べるこ とにしました。 ここからは急登が続いていきます。だんだんNさんが遅れがちになりつつあったのですが、最後の 水場を過ぎて本格的な急登に入ると、更に差が開いてきました。 すると、「それ程難しい箇所もなさそうだから大丈夫だろ!?」と、Kさんが田中陽希ばりのスピー ドでぐんぐん登っていきました。私はそのスピードは無理なので、自分のペースで登り、休憩を入れ る事無く森林限界まで一気に進みました。視界が開け、小屋まであとどれくらいだろうと暫し景色を 眺めていると、すぐ上にKさんが立って待っていました。そこで合流し、つづら折りの登山道を2折 くらいしたところで「着いたぜ!!」の声が聞こえてきました。 標識と小屋、その背後にとんがった三角形、槍ヶ岳がいきなり目に飛び込んできました。 「わぁ!!スゴイ!!」と思わず声を出し、到着時刻を記すのも忘れて景色に見とれます。 ガスが流れる合間から、とてつもない大きさの槍ヶ岳から大キレットまでの山々がまるで一枚の 絵画のように美しく見えています。 八ヶ岳から見える方向とほぼ同じ位置からと思われるこの北アルプスの眺めですが、距離感がまる で違い、とにかく槍ヶ岳が大きい!!大キレットの急峻さも手に取るようにわかります。 やはり北アルプスのこの山容、圧巻です。 大分眺めにみとれていましたが、未だNさんは到着せず段々心配になって来た頃、ようやくその姿 が常念乗越に現れました。その労をねぎらいつつ、この美しい景色を一緒に堪能して暫く小屋の前の ベンチで至福の休息。 するとガスで覆われていた常念岳がようやく姿を現しました。 緩やかな稜線から見て取れる優しげな雰囲気の山容ではありますが、それでもこの小屋から頂上まで は約400m。意外と登りがいはありそう。 午後からはガスがどうしても多くなりがちなので、早朝のクリアな空気に祈りを込め、小屋のチェッ クインへ。 場所を小屋内のテラスに移し、絶景を見ながら今度は生ビールで乾杯。Nさんが持ってきてくださっ た数々のお菓子と、私が持参したおつまみで祝杯をあげた後は、部屋に戻って暫しごろ寝。 夕食を告げるアナウンスと共に、食堂へと向かいました。食堂に入ってみると、平日とはいえかなり の宿泊者でおおにぎわい。さすがに人気の高い山はいつもこんな感じなんだなぁと感心しつつも、私 達の部屋が相部屋になるかどうかの瀬戸際なので、これ以上の登山客が増えないよう祈っていました 。夕食が終わり、暫く経ったのでさすがにもう来ないだろうと、広々した部屋を3人で独占、点々と 寝床を確保し消灯までの時間をそれぞれ過ごしました。 私は星が見たかったので、空が暗くなるまで待っていましたが、満月のせいなのか空が明るく、雲も 出ていたので1人星空観測を諦め、KさんNさんに追随して20時には就寝となりました。 となりの部屋のうるさいおばちゃんたちの話し声で強制的に4時には起こされる事となった翌朝でし たが、その御陰もあって準備は完璧。ご飯を食べたらすぐにでも出発できる体制となりました。 さて、かなり予定より早い時間に二日目の山行スタートです。 天気は最高!絶好の登山日和です。まあまあの斜度を一歩一歩と着実に進んで行き、ゆっくりながら も何人もの人を追い越して行きます。相当前を歩いていた団体の一団にとうとう追いついたと思った その時、一団が休憩に入った為、楽に先行する事ができたのは幸いでした。 そして、ついに常念岳山頂(2,857m)に到着!!幾人もの登山者を追い抜いて来たので、山頂は 私達とご夫婦二人しか居らず、ほぼ貸し切り状態。 小屋で見ていた時よりも更に槍ヶ岳が近づいて見え、穂高の山々が真正面に見えました。更に鹿島槍 、立山、剣岳、乗鞍岳、御嶽山、北岳、甲斐駒ケ岳…と連なりはずっと続いています。 苦しい過程を乗り越えて、この景色を生で見る事の素晴らしさ。 そして魂が浄化されていくような 清々しい気持ち。 これは登った人だけが味わうことのできる、本当に貴重で贅沢な経験と言えるで しょう。 そんな幸福の時間を堪能していると、だんだん稜線をガスが這い上がって来ました。と同時に、先程 の団体さんたちが一斉に山頂を占拠し始め、静寂は破られ一気に喧噪に満ちてきてしまいました。 丁度良いタイミングでの下山です。 途中ハイマツを食い入るように眺めながら、雷鳥との出逢いに未だ未練を残しつつ、小屋まで下り、 休憩を挟んでついに槍ヶ岳とサヨナラです。 途中中学生の団体をいくつも追い抜かし、烏帽子沢でお昼用に買っておいた菓子パンをお腹に入れ、 登山口まで一気に下りました。 いつもの山行よりも随分早い、11時過ぎに登山口へ無事到着。 その後パンを食べた後ではあったのですが、Nさんおすすめの蕎麦屋さんがあるのとのことで、 食いしん坊の私はいいですね!とすぐ同意。小汚い身なりではありましたが、地元では有名だという お蕎麦屋さん「上條」へ。 ここで今回の登山を振り返りつつおいしいお蕎麦を頂きました。 ここでの話題のひとつでもあったのですが、Nさん曰くKさんと私の歩くペースが速い。というこ と。Kさんは本当はもっと速いペースで歩けるので、確かに速いのですが、私の方も大分Kさんにつ いていけるようになってきたようなのです。確かに行動時間を見てみても、かなりペースは上がって 来ているようで、標準タイムとほぼ変わりません。そもそも標準コースタイムには休憩時間は含まれ ていないため、休憩時間を除いて比較してみると、標準タイムより大分速いということになります。 昨年から比べると、かなり鍛えられ成長したのかも。 さて、おいしいお蕎麦を頂いた後は温泉へ。 そしてNさんとお別れして私達二人は帰途につきました。 今回も素晴らしい山行でした…!! Nさん、今回は何から何まで本当にお世話になり、ありがとうございました。 Kさん、地道に精進しますので、来月以降も引き続きよろしくお願いします。 楽しい3日間でした。どうもありがとうございました。 【今回の常念岳登山記録】   初日行動時間 4時間27分(標準タイム  4時間35分)  9:15  一ノ沢登山口 11:23 〜11:47 笠原沢出合  12:24 胸突八丁 3’09(3’15)   13:43  常念乗越【常念小屋】(2,456m) 1’19(1’20)   二日目行動時間 5時間44分(標準タイム  5時間10分)  5:30 常念小屋 6:35〜7:00 常念岳(2,857m) 1’05(1’10) 7:50 〜8:16 常念小屋 50(50) 8:58 胸突八丁 43(60)    9:30 笠原沢 11:14 一ノ沢登山口 2’12(2’10)  ∴ 百名山記録 17/100   【丹沢山 奥白根山 筑波山 草津白根山 四阿山 浅間山    金峰山 瑞牆山 火打山 妙高山 大菩薩嶺 鳳凰三山    谷川岳  蓼科山  雲取山 八ヶ岳 常念岳】


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