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  • 執筆者の写真junpei

美ヶ原〜八島湿原



岩木山から始まった怒濤の3週連続登山も、いよいよ夏恒例の師匠 とNちゃんとの美ヶ原〜霧ヶ峰縦走で一旦小休止! とりあえず体調を崩す事も無く、無事にここまでこぎつけました。 今回の登山コースですが、術後の経過は順調ながらもまだ本調子と は言い難い師匠も行けるようなところを探していました。 美ヶ原と霧ヶ峰だったら、師匠の別荘からも近く難易度も高くない。 しかも単発で登るには簡単すぎますが、縦走するコースならそこそこ 距離もあるので楽しめるのでは?と考えました。 色々調べてみると、中央分水嶺を歩くトレッキングコースがあるらし い。推奨コースは長門牧場から美ヶ原までの全長38kmのロングコース となりますが、全て踏破するには2泊は必要と思われます。 ということで、最終的には初日に美ヶ原から約15km歩いて八島湿原で 1泊、二日目は八島湿原と霧ヶ峰を周遊するという山行内容で決定。 ところが、師匠が別荘滞在中に足を滑らせ負傷。ロングコースを歩く には不安があるとの事で、師匠は美ヶ原から茶臼山のピストン。あと は車で八島湿原に向かう事になりました。 さて、仕事を終え、一目散に軽井沢に向かった私をNちゃんがピック アップしてくれ、途中お風呂に入ってからK邸へ。遅い時間でしたが それから例のごとく宴会が始まりました。 翌日は4時に出発しなければならないので早目に…と言いつつも、結局 宴が終了したのは11時頃。眠い目をこすりながら3時半起床で山本小 屋へ向かいます。天気は非常に怪しい曇り空。翌日はおそらく雨にな るだろうとの予報で、せめて初日だけでも…と半ば祈るような気持ち で出発しました。 歩き始めてほどなく、広い草原が出現。牛たちが放牧され、なんとも のどかな風景です。暫くすると美ヶ原(1,940m)美しの塔が見えてき ました。 美ヶ原を愛した詩人、尾崎喜八の文学碑です。 登りついて不意にひらけた眼前の風景に しばし世界の天井が抜けたかと思う。 やがて一歩を踏み込んで岩にまたがりながら、 この高さにおけるこの広がりの把握になおもくるしむ。 無制限な、おおどかな、荒っぽくて、新鮮な、 この風景の情緒はただ身にしみるように本原的で、 尋常の尺度にはまるで桁が外れている。 (尾崎喜八 美ヶ原熔岩台地) 尾崎喜八の「山の絵本」は、私の好きな本のひとつですが、その一節 に、こんな文章があります。 もしも空身ならば。そうだ、空身ならばこんな処は何でもあるまい。しかしお前の行くような山が空身で何の試練になる。 (中略) 何のためにするこの労働だ。見るためにだ。見るためならばもっと楽な、もっと楽しい道らしい道が、人間にふさわしい道が、静かな山麓 を、下の方の美しい平野を、千万の看物をならべて走っているではないか。走っている。しかも実に和やかな曲線を描いて走っている。だがお前はこの困難な道 の方を選んだ。そしてそれは正しい。なぜならば、手を高閣に束ねて見るだけならば、それはまだ本当に見てはいないのだ。あらゆる現実は、そこに身を以って 生きて初めて「見た」ということができるのだ。お前は見たいと願う。それならば生きねばならない。此処を往くことは、今の場合、とりも直さず生きること だ。往け! 何度読んでも胸打たれる言葉です。 私が山を登る理由は、まさにこういうことなのだ。そう思います。 草原の中を歩き、ひとつめのピーク、茶臼山(2,006.5m)に到着。 ここで師匠とは別れ、私達は先へと進みます。順調に扉峠を過ぎ、二 つ目のピーク三峰山(1,887.8m)へ。晴れていればもっと美しい景色 が堪能できたであろうこのコース。もう一度晴れている時に訪れたい と思わせる、素敵な道です。 しかし、意外にもアップダウンは多く、和田峠に至るまでにいくつも のピークを越えて行きました。途中電話でのやり取りで、和田峠の パーキングで落ち合って昼ご飯を食べる事にしました。 あと少しで和田峠。というところまでやってくると、中山道の碑があ るT字路にぶちあたりました。北東方向に伸びる和田宿方面への道と 南西方向に向かう下諏訪方向の道。明らかに下諏訪方向ではないこと から、中山道を北東方向に下りて行ってみました。しかし、実はこの T字路と思われた登山道、本当はまっすぐに進む道が正解でした。 途中、ビーナスライン沿いに見えるパーキングから、道はどんどん遠 ざかっていきます。そこで、ビーナスライン上に出てパーキングへ向 かいました。師匠と共にゆっくり昼食を取り、休憩した後次なる鷲ヶ 峰に続く道を師匠と探しに行きますが、中山道と書かれた標識しか見 当たらず、結局方向的には合っているのでどこかで登山道と合流する のだろうと漠然と考え、師匠とも別れそのまま中山道を進みました。 しかし、途中でNちゃんがやっぱりおかしい。と言ってくれました。 確かに目の前に見えて来た東餅屋という茶店は、和田峠より北。南東 方向に進まなければならないのに反対に来ています。致し方なく、来 た道を戻り、パーキングへ。ここまでで30分のロスです。もう一度地 図とコンパスを頼りにビーナスラインを歩いて行くと、ありました! 八島湿原方向への標識です。良かった良かった!! 鷲ヶ峰までは5つのピークを越えて行かなければならず、なだらかそ うに見えて、意外にもきついその尾根道をひたすら歩いて行きます。 しかも、和田峠までの道とは違い、かなり登山道が荒れていて、草が 生い茂った中をかき分けながら進まないといけないような有様。いよ いよ最後の急登を越え、鷲ヶ峰(1798.3m)山頂です。山頂からは 諏訪湖が!!そして、八島湿原が見渡せました。 そこから30分程で湿原脇に下山。高山植物の写真を見ながら、この日 歩いている最中に見た花々の名前を確認しました。こういうものが 立っていると、なかなか便利。しかし、ハート型に見えるからって 「恋人たちの聖地」by桂由美との看板を見た時にはかなりの興 ざめでしたが…。 八島山荘の駐車場へ行くと、ちょうど湿原を散策して来た師匠と合流。 宿へと向かいます。なんとこの日の宿泊者は私達だけ。なんとお風呂ま であるという殆ど旅館と変わらないこの宿で、すっかりきれいな体にな って夕食を待ちました。 夕方配信のヤマテンの予報では、やはり完全に雨予報。しかもかなりの 強風の為、翌日の霧ヶ峰登山は中止と決定しました。 そうとなれば、明日の事を心配する事も無く、ゆっくり宴会ができると いうもの!! 素晴らしい食事と共に、次々酒を発注する師匠の勢いにもちろん追随し 3人ともかなりの酔っぱらいになって就寝となりました。 翌朝はやはり予報通りの雨。朝食を頂き、とても親切にしてくださった 八島山荘を後にして、スーパー開店時刻まで追分宿あたりを散策。その 後、買い出し、温泉と昼間からの宴に向けて着々と準備です。 夕方から始まった宴もだんだん佳境に入り、夜10時にはみんな限界で、 お開きとなりましたが、酔った勢いの師匠が我々の寝所に参加。川の字 になって、山小屋さながらの状態で寝ることになりました。 さて、今回も楽しい時間をたっぷり過ごした3人でしたが、来年の目標 として、八海山か燧ヶ岳。それが無理そうならもう一度美ヶ原〜霧ヶ峰 縦走ということで決定しました。 山の魅力を教えてくれた師匠と共にやっぱり山を歩きたいし、まだまだ 経験の浅い私達を叱咤して頂きたい。どうか来年までには復調し、一緒に 山々を楽しみたいと願うばかりです。 今回も楽しい時間を過ごすことができました!師匠、Nちゃん、ありがと うございました!   行動時間 8時間10分(標準タイム約7時間)  6:30 山本小屋  6:45 美ヶ原(1,940m) 15(20)    6:55 塩くれ場 10(10) 7:38 茶臼山(2,006.5m) 43(50) 8:40〜52  扉峠 58(60)  10:04〜10 三峰山(1,887.8m)  72 11:23 〜12:10 和田峠 1’13 12:44 和田峠登山口(35分道迷いでロス)   13:53〜14:00 鷲ヶ峰(1,798.3m) 1’04(1’20)   14:40 八島湿原 40(40) ∴ 百名山記録 24/100   【丹沢山 奥白根山 筑波山 草津白根山 四阿山 浅間山    金峰山 瑞牆山 火打山 妙高山 大菩薩嶺 鳳凰三山    谷川岳  蓼科山  雲取山 八ヶ岳 常念岳 仙丈ヶ岳  甲斐駒ケ岳 赤城山 男体山 岩木山 富士山 美ヶ原】


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