雨飾山
- junpei

- 10月15日
- 読了時間: 7分
更新日:10月16日

紅葉の雨飾山。
数年前からKさんとの間で何度も話題に上っていた山です。
新潟と長野の県境ということもあり、かなり遠いことから前泊が必要。
ということで、雨飾高原キャンプ場で前日キャンプ、翌日日帰り登山という計画となり、なかなかハードな内容です。
Kさんに以前みんなでプレゼントしたLOCUS GEAR クフ。このテントのデビュー戦でもあったはずの今回の計画でしたが、相次いで発生した台風のせいで天気はかなり悪く、キャンプ場のキャンセル料発生も相まってKさんは早々に断念を決定してしまいました。
私とNちゃんはギリギリまで待って、キャンセル料が発生したとしてもやむ無しという決断。毎日天気予報を注視しつつ、他の山の可能性も探りつつの1週間となりました。
いよいよ出発前日。相変わらず登山前日は雨予報でしたが、登山当日の天気は良くなりつつありました。これなら登山自体は行けそうだと判断。 ただ、懸念されるのは雨の中でのキャンプです。 我々はバスタブのあるテントを持っていないことから、当然ツェルト泊です。となると、結露、浸水は免れず、その状態で翌朝登山というのは心理的にも物理的にも相当しんどい事態に陥ること間違いなしです。
しかし、最終的にはNちゃんとの協議の上、「決行」することにしました!
雨で設営している間にびしょ濡れになることも考えると、最悪は車中泊も考えました。 府中本町駅でNちゃんを拾い、行く道すがら色々話し合った結果、最終的にはテントを借り、サイトもウッドデッキサイトにすれば良いのでは!?ということになり、Nちゃんにキャンプ場へ電話してもらいOKをもらいました。
もともと雨予報なのに早い時間にキャンプ場に着いても仕方ないと、出発時間を遅らせていたのですが、予期せぬ中央道の工事渋滞が重なってキャンプ場に着いたのは16時半頃。 急いでテントサイトの変更と、お借りするテントの選択に入ります。お兄さんがとても親切な方で、初心者でも比較的簡単に立てられるテントと、雨の中でも大丈夫なようにパーティーシェードをおすすめしてくださったので、その通りのテントをお借りすることに。 そして、この日の宿泊者が中国人のグループ1つと私たちだけだったことから、なんと設営まで手伝ってくださいました。
雨に濡れながら、素早くテントを一緒に設営し(ほとんどお兄さんがやってくれた)、2〜3人用の立派なテントが立ち上がりました!!
いつもはツェルトで過ごすキャンプも、こんなに広々したテントに泊まれるなんて、天国です!!
これも、親切にしてくださったお兄さんのおかげ!!ということで、「お礼にビールでも!」という私たちに、「それより早くしないと真っ暗になりますから」と丁寧にお断りされ帰っていかれました。 なんて良い方なんだろう!!感激しきりです。
お兄さんの言う通り、秋の日はつるべ落としで、言ってる間に真っ暗になりました。ランタンを灯し、ゆっくり荷物を広げ、翌日に備えます。
お湯を沸かして夕飯を食べ、ビールを飲み、外は雨ながらも非常に快適な空間でした。二次会は、Nちゃんが持ってきてくれたイチローズモルトで宴。あっという間に21時になったので就寝となりました。 結露もなく、非常に快適でよく眠れました。4時起床。雨も上がり、星も見えていました。トイレに行くと、なんと登山者がもう駐車場に来ているようでかなりワイワイしていました。さすが百名山。やはり人気があるのだなぁと感心しながら出発の準備です。
5時過ぎ、ヘッドランプを点けいよいよ出発。
雨上がり後ということで道はドロドロにぬかるみ、木道はツルツルで気の抜けない道が連続しています。道は急登と平坦な道のミックスで、樹林帯が暫く続いていました。すると、途中で何か動物の鳴き声が…。鹿でないことは確かです。Nちゃんが、「熊!?」と言いました。そうかな…。と思いつつまた歩き始めますが、時を空けずしてまたも声が。吠えるような鳴き声です。これは、やっぱり「熊」に違いない。その後も数回鳴き声が聞こえてきたので多少ビビりますが、熊鈴もつけているし、Nちゃんも一緒なので気を取り直して先へと進みました。
やがて正面が開けた場所に差し掛かりました。
これから登る山頂付近がよく見えるポイントです。紅葉もかなり進んでいて、まるでパッチワークのよう。布団菱も綺麗に見えていました。この布団菱とは、雨飾山東側の山頂直下から流れる荒管沢の奥壁にあたる巨大な白い岩壁のことです。

今は、この布団菱の東側に登山道があるのですが、深田久弥はこの布団菱を直登したらしいです。 さて、絶景を見ただけで十分幸せな気持ちになり、気を良くして歩きますが、沢に向かって道は降っていきます。 沢で水を汲み、これからやってくる急登へ備えます。
沢を渡渉すると途端に雰囲気が変わりました。道は急登。まるで垂直のような岩場が増え、梯子も数カ所にありました。とにかく雨のせいで足場が悪く、おっかなびっくり進みます。長い急登は笹平で一旦終了となり、文字通りの笹原を歩いていきます。ここは平坦で本来なら絶景が見られるところなのでしょうが、残念ながら急速に沸いたガスのせいで全く眺望はなし。そのまま山頂へ進みます。
雨飾山の山頂は相似形で猫の耳とも言われているそうです。
まずは三角点がある南峰へ。スペースがあまりなかった為、石仏のある北峰へと移動。 ここでお昼ご飯を食べました。食べ始めてまもなく、急に風が強くなってきました。シェルを着込んではいましたが、かなり寒かったので、急いで下山開始です。山頂方向は相変わらずガスガスでしたが、笹原を歩いていると少しガスが晴れて周囲の山が見えてきました。そして日本海も見えています!ここが日本海に近い山だということを改めて感じさせてくれる景色なのでした。 その後ツルツルの岩場をなんとかやり過ごし、何度かすっころびながらもようやく急坂ゾーンを終え、荒菅沢で大休止。まだかまだかと思いながらようやくキャンプ場へ到着しました。なかなか歯応えのある山でした。特に沢を超えたところからの急登はなかなかのものでした。
天気も上々で、一時はどうなることかと思いましたがなんとか無事に下山できて本当によかった!!
さて、テントを撤収しようと思ったら、既に綺麗に片付いていたのでびっくり。受付に行ってみると、あのお兄さんが、「また雨が降りそうなので乾いているうちにこちらで勝手に撤収してしまいました。」とのこと。本当に、何から何までお世話になってしまい感謝感謝です! 山の話等をちょっとお話しましたが、その会話からもお兄さんは山がとても好きなんだろうなぁと思われました。そして、おもむろにビールを2本購入し、そのままお兄さんに「進呈いたします。」とお渡ししました。 その後、ちょっとキャンプ場から降ったところにある山田旅館のお風呂をおすすめされたのでこちらで、お礼を言ってキャンプ場を後にしました。
山田旅館は歴史のある温泉宿で、温泉もとても良く、風情のあるお宿なのでした。ここで、天然の舞茸と珍しい赤大根を購入し、長い長い道のりを運転して無事帰宅しました!!
思い出に残る登山となり、本当に楽しい山旅でした。 今回も、Nちゃんには色々とお世話になりました!!ありがとうございました!!
そして、雨飾キャンプ場のお兄さん、本当にありがとうございました!!

【今回の雨飾山登山記録】
行動時間 7時間26分(標準タイム 6時間25分)
■山行タイム 6時間37分
5:17 雨飾高原キャンプ場
8:23 笹平 2’54(3’15)
8:55〜9:20 雨飾山(1,963.3m) 29(25)
12:43 雨飾高原キャンプ場 3’23(2’45)
∴ 百名山記録 55/100 【丹沢山 奥白根山 筑波山 草津白根山 四阿山 浅間山 金峰山 瑞牆山 火打山 妙高山 大菩薩嶺 鳳凰三山 谷川岳 蓼科山 雲取山 八ヶ岳 常念岳 仙丈ヶ岳 甲斐駒ケ岳 赤城山 男体山 岩木山 富士山 美ヶ原 北岳 両神山 鳥海山 霧ヶ峰 那須岳 至仏山 安達太良山 木曽駒ケ岳 御嶽山 会津駒ケ岳 燧ケ岳 五竜岳 苗場山 平ヶ岳 間ノ岳 鷲羽岳 磐梯山 西吾妻山 薬師岳 乗鞍岳 立山 早池峰山 剱岳 槍ヶ岳 甲武信ヶ岳 武尊山 高妻山 穂高岳 八幡平白馬岳 雨飾山】
































































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